借金や未払い債務がある場合、債権者(または債権回収会社)が法的手続きを経て強制執行(差し押さえ)を行うケースがあります。では、実際に差し押さえの対象として狙われやすい資産はどこなのか?この記事では、債権回収会社が強制執行に踏み切った際に、どの資産を優先的に押さえる傾向があるのかを具体的に解説します。
差し押さえの基本:裁判所の関与が不可欠
まず前提として、債権者が勝手に財産を差し押さえることはできません。民事執行法に基づき、裁判所の発する「債務名義(判決・公正証書など)」が必要です。
差し押さえは「債務名義」→「強制執行申立て」→「執行官による差し押さえ」という手順を踏みます。債務者の資産がどこにあるかを調査したうえで、実効性のある執行がなされます。
狙われやすい資産①:銀行口座の預金
最も狙われやすいのが銀行口座の預金です。なぜなら、差し押さえの実行が比較的容易で、預金額の範囲で即時に現金化できるからです。
実際には、債権者が債務者の銀行情報を把握していれば、銀行に対して差押命令を発し、即時に預金を凍結・回収できます。複数口座を所有している場合も調査されることがあります。
狙われやすい資産②:給与(給料債権)
給与は差し押さえの対象ですが、生活保障の観点から一定額が差し引かれたうえで執行されます。具体的には、手取り額のうち約4分の1~2分の1程度が差し押さえ対象です(給与額や扶養家族の数によって異なる)。
会社に差し押さえの通知が行くため、勤務先に知られるリスクもあります。
狙われやすい資産③:不動産(持ち家など)
不動産も差し押さえの対象ですが、手続きが煩雑で時間がかかるため、すぐには行われにくい傾向にあります。
それでも高額な債務や支払い拒否が続いた場合には、競売にかけられるリスクがあります。住宅ローンが残っている場合には、抵当権との兼ね合いで優先順位が左右されます。
狙われやすい資産④:自動車や高額な動産
車や貴金属、ブランド品などの価値ある動産も差し押さえ可能です。特に車は登録情報で所有者を把握しやすく、押収の対象になりやすいです。
ただし、日常生活に必要とされる程度の車(軽自動車など)は、執行が見送られることもあります。
差し押さえを回避・対処するために
差し押さえ前に債権者と交渉し、分割払いや和解の道を探ることが最も有効です。放置してしまうと法的措置に発展し、資産を失うことになります。
債務整理(任意整理・個人再生・自己破産など)を弁護士に相談することも選択肢のひとつです。
まとめ:狙われやすい資産と早期対応の重要性
債権回収会社が強制執行を行う場合、銀行口座→給与→不動産→車といった順で、効率的に資産を差し押さえようとします。生活を守るためにも、早期の相談と交渉が何よりも大切です。
「債務を返済できないかもしれない」と感じたら、まずは法テラスや弁護士に相談しましょう。