弁護士と司法書士の違いとは?法律業務の範囲と加害者弁護の可否をわかりやすく解説

「弁護士と司法書士、どちらが法律の専門家なのか?」「司法書士に弁護を依頼できるのか?」といった疑問を持つ人は少なくありません。この記事では、両者の業務内容や法律上の権限の違いについて、わかりやすく解説します。

弁護士の業務範囲と役割

弁護士は、日本の法律上で唯一、法律事件の代理や弁護を全面的に行える資格です。弁護士法第3条により、裁判所や検察庁、警察などにおいて、依頼者のために代理や弁護をすることができます。

加害者・被害者問わず、刑事・民事のすべての事件に関与でき、法律相談、訴訟手続き、交渉、契約書作成なども行えます。つまり、法律を全面的に「使用」できる職種が弁護士です。

司法書士の業務範囲と制限

司法書士は主に登記業務(不動産登記・商業登記)を担当し、法律事務も一部対応可能ですが、扱える範囲は限定されています。簡易裁判所における140万円以下の民事事件については、特別研修を受けた認定司法書士に限り、代理人として訴訟手続きが可能です。

しかし、刑事事件での加害者弁護や、地方裁判所以上の訴訟対応、法律事件全般の代理は司法書士の権限外であり、法律上禁止されています。

司法書士ができない主な業務

  • 刑事事件における被疑者・被告人の弁護
  • 地方裁判所や高等裁判所での民事訴訟の代理
  • 行政訴訟、家事事件、労働審判などの代理
  • 依頼者の全面的な法律問題の相談(軽微なものを除く)

上記の業務は弁護士の独占業務とされています。司法書士がこれらを行った場合は、弁護士法違反になる可能性があります。

実際の利用シーンに応じた選び方

例えば、「家の相続登記をお願いしたい」「会社設立の登記が必要」といった場面では司法書士に依頼するのが適切です。

一方で、「刑事事件で加害者として取調べを受けている」「離婚や慰謝料の交渉をしたい」「損害賠償請求をしたい」などの場合は、弁護士でなければ対応できません。

まとめ:法的トラブルに対する適切な相談先の選び方

弁護士と司法書士は、どちらも法律に関わる専門職ですが、扱える業務範囲が大きく異なります。刑事事件での弁護や法廷代理を含む幅広い法律行為ができるのは弁護士のみです。

  • 弁護士:加害者の弁護を含む法律業務全般を担当
  • 司法書士:主に登記業務、簡易裁判所での軽微な民事事件に限定

法律トラブルに巻き込まれた場合は、状況に応じて適切な専門家を選ぶことが大切です。特に刑事事件では、速やかに弁護士に相談することで、権利を守り、最善の対応が可能になります。

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