「警察から連絡が来たけど、何も悪いことをしていないのにどうして?」と驚く方は少なくありません。実は、犯罪を犯していなくても警察に呼び出されることはあります。本記事では、そうしたケースの具体例や背景、呼び出しを受けた際にとるべき対応について、法律の専門的な視点も交えて詳しく解説します。
警察に呼ばれるのは「容疑者」だけとは限らない
一般的には、警察に呼ばれる=「何か悪いことをしたのでは」と考えてしまいがちですが、現実にはそうとは限りません。警察は捜査の過程で多くの人から話を聞く必要があり、参考人としての出頭依頼が行われることがあります。
たとえば、近所で事件があった際に、防犯カメラの映像に映っていた人に話を聞く、事件の前後に現場付近を歩いていた人の証言を取るなどの目的で、事件とは直接関係のない一般人が呼び出されることはよくあります。
「任意出頭」とは?断ることはできるのか
警察から呼び出される際には、「任意で来てください」と言われるケースが多いです。これは「任意出頭」と呼ばれるもので、法的には拒否することも可能です。
ただし、警察に協力することで自分の潔白を証明しやすくなるケースもあるため、むやみに拒否するのではなく、慎重な判断が求められます。状況に不安がある場合は、事前に弁護士へ相談することをおすすめします。
実際にあった任意出頭の具体例
以下は、実際に相談が寄せられた任意出頭のケースです。
ケース1:駅前で起きた暴行事件に関して、現場近くを歩いていた人物として事情聴取を求められた。防犯カメラに映っていただけで、目撃証言を求められたが、事情を話してすぐに解放された。
ケース2:元交際相手がストーカー被害を訴えており、その相手として出頭を求められたが、事情を説明した結果、誤解だったと判明した。
警察から連絡が来たときの対応方法
もし警察から突然「話を聞きたい」と連絡が来た場合、以下のように対応すると安心です。
- 冷静に内容を確認し、出頭の目的を尋ねる
- 日時や場所、担当官の氏名をメモする
- 不安がある場合は弁護士に同席を依頼する
- 録音や記録の準備をする(可能な範囲で)
注意点:感情的になったり、無断で出頭を拒否したりするのは逆効果です。誤解を解くためにも、丁寧なやり取りを心がけましょう。
弁護士への相談は早めが安心
自分に身に覚えがなくても、警察からの連絡は精神的な負担になります。そんなときに頼りになるのが、法律の専門家である弁護士です。
初回無料相談を行っている事務所も多く、弁護士ドットコムなどのサービスを使えば、自分に合った弁護士を探すことができます。安心して出頭するための準備として、相談をおすすめします。
まとめ:罪がなくても呼ばれることはあるが、冷静に対応を
警察に呼ばれたからといって、それがすぐに「容疑者」としての扱いを意味するわけではありません。多くの場合、参考人としての事情聴取である可能性が高いです。
重要なのは、感情的にならず、冷静かつ丁寧に対応すること。そして必要であれば、法的なサポートを受けることで不安を軽減できます。万が一のときにも慌てず対応できるよう、日頃から知識を持っておくことが大切です。