事故を起こした際に「まずは自費で対応しよう」と考える方も少なくありません。しかし、後から修理代が高額だとわかり、やはり保険を使いたいと思った時、果たしてそれは可能なのでしょうか?本記事では、事故後に自動車保険を使用する可否や注意点について解説します。
事故後に保険を使う期限はいつまで?
原則として、自動車保険には事故発生後の「通知義務」があります。多くの保険会社は事故から60日以内(または30日以内)に報告することを求めており、これを過ぎると保険金の支払い対象外となる場合があります。
ただし、保険会社により柔軟な対応をしてくれることもあるため、事故発生から1ヶ月後でも、まずは早急に保険会社へ相談するのが最善です。
最初に「保険を使わない」と伝えていた場合の影響
事故直後に「自費で対応します」と伝えていたとしても、保険会社への事故報告さえしてあれば、あとから「やはり保険を使いたい」と申し出ることは可能です。
問題となるのは事故自体を保険会社に全く報告していなかったケースです。この場合、契約内容によっては「事故の報告義務違反」とされ、保険金の支払いを拒否される可能性があります。
保険を後から使う際の実例
たとえば、駐車中の車に接触してしまい、相手との示談交渉を自分で進めていた方が、修理見積もりが予想以上に高額と分かり、事故から25日後に保険会社に連絡。報告期限内であったため、保険適用が認められ、示談交渉も保険会社に引き継がれたケースがあります。
一方で、60日を過ぎてから連絡した事例では、「遅延理由が正当ではない」と判断され、保険金が支払われなかったケースも存在します。
後から保険を使いたくなった場合の対応手順
保険を使うか迷ったまま時間が経過してしまった場合は、以下の手順を取りましょう。
- 速やかに契約している保険会社へ事故の内容と日付を正確に伝える
- 「当初は自費で進めようと考えていたが、事情が変わった」旨を説明
- 必要書類(事故証明書や修理見積書など)を準備
- 保険会社の判断に従い、保険金請求手続きを進める
保険会社は記録をもとに判断するため、嘘や虚偽の説明は絶対に避けてください。
保険を使うことで等級が下がる点にも注意
自動車保険を使うと、翌年の等級(ノンフリート等級)が原則3等級下がり、保険料が上がる可能性があります。費用対効果を考えて、保険を使うべきかどうかを冷静に判断しましょう。
たとえば、修理代が8万円で、保険を使うと翌年の保険料が年間2万円上がるとすれば、3年間で6万円の増額。差額が少ないなら自費で済ませる選択もあります。
まとめ:迷ったらすぐに保険会社へ相談を
事故から時間が経っていても、事故の報告がされていれば保険を使える可能性があります。報告義務の期限は保険会社により異なるため、迷ったらまずは相談しましょう。
後悔しない対応を取るためにも、事故後はなるべく早く保険会社へ連絡し、状況の変化に応じて最善の判断を下せるように備えることが大切です。