交通事故後に警察署で署名・指印した書類の正体と注意点とは

交通事故のあと、警察署で話を聞かれたり書類に署名や指印を求められた経験のある方は少なくありません。その書類はいったい何なのか、将来的に不利益にならないかと不安になることもあるでしょう。この記事では、事故後に警察が作成する代表的な書類と、それに署名・指印を求められる場面について詳しく解説します。

事故後に警察が作成する主な書類

交通事故を起こした際に作成される書類の中で、署名や指印を求められることのあるものには、以下のようなものがあります。

  • 供述調書(実況見分調書)
  • 参考人調書
  • 証拠品提出書(ドライブレコーダー提出など)

どの書類も重要なもので、将来の刑事・民事手続きに影響を与える可能性があります。中でも「供述調書」や「実況見分調書」は、事故状況を本人の言葉で確認し、警察官が記録するための正式文書です。

署名や指印が求められる理由

供述調書などに署名・指印をすることで、記載内容が本人の発言に基づいていることを確認したという証明になります。後で「そんなことは言っていない」と争われないようにするため、捜査の一貫として行われます。

たとえば「事故が起きた経緯についてどう思うか」「相手に悪い点はなかったか」などを聞かれ、それに対する発言をそのまま書類化し、内容に問題がなければ署名・押印する、という流れです。

ドライブレコーダー提出時の書類

事故時に使用したドライブレコーダーのSDカードなどを警察に提出する場合、「証拠品提出書」といった形式の文書に署名・押印することがあります。この書類には「提出する物の種類」「返却時期」「返却方法」などが明記されます。

この書類は刑事手続きの一環として証拠能力を持つため、正確な情報提供が求められます。SDカードがコピーされたり、検証後に返却されることもあるため、内容と目的をしっかり確認してから署名しましょう。

自分の署名・指印が不安なときは

署名や指印を求められたとき、その内容が自分の認識と異なる、あるいは曖昧に書かれている場合は、その場で修正を求める権利があります。納得いかない内容に無理に署名・指印をしてしまうと、後々トラブルになることがあります。

「確認したいのでコピーをもらいたい」と申し出ても、警察の捜査書類であるためコピーを断られることがありますが、メモなどに自分で概要を記録しておくと安心です。

署名後にできること

万が一、署名してしまった後で誤解があると気づいた場合でも、後日訂正を申し出ることは不可能ではありません。必要に応じて、弁護士を通じて訂正申し立てを行うこともできます。

また、民事訴訟や保険交渉の場で、署名した供述調書が相手側に利用されるケースもありますので、自身の発言が正確に反映されているかを確認する姿勢が大切です。

まとめ:署名・指印の書類は慎重に取り扱う

交通事故後の警察でのやり取りでは、署名や指印を求められる書類は主に「供述調書」や「証拠品提出書」であり、いずれも将来的に影響を持つ可能性のある大切な書類です。

内容をよく理解し、納得したうえで署名・押印することが、自身を守るための第一歩となります。不安がある場合は、交通事故に詳しい弁護士への相談も検討しましょう。

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