交通事故で頚椎捻挫(むち打ち)を負い、通院治療を続けている方の中には、「何回通えばいいの?」「通いすぎると慰謝料が減るって本当?」と不安を抱える人も多いのではないでしょうか。この記事では、通院回数と慰謝料の関係、過剰通院と判断される基準などを詳しく解説します。
むち打ち症の通院日数の一般的な目安
頚椎捻挫は自覚症状を重視される傷病であり、画像では異常が見られないことがほとんどです。そのため、治療の必要性は本人の訴えや医師の診断に基づいて判断されます。
一般的には3~6ヶ月の間で週2~3回の通院が目安とされます。これを元に計算すると、40~70回の通院が「過剰ではない」とみなされる範囲になることが多いです。
通院回数が多いと「過剰通院」と判断される?
保険会社は、必要性の乏しい長期通院を「過剰通院」とみなして治療費の支払いを打ち切ることがあります。特に1日おきに半年以上通っている場合は、症状の改善が見込めるか、医師の治療方針に基づいているかが重視されます。
医師の指示に従っており、症状の改善が見られる場合には、正当な通院と認められる可能性が高いです。逆に、漫然と通院を続けているだけの場合は、通院の正当性が疑われることがあります。
慰謝料と通院頻度の関係
通院慰謝料は「実通院日数×4,300円」または「通院期間×2で日数計算し、4,300円×日数」といった方式で計算されます。そのため、通院日数が多ければ慰謝料は高くなりますが、過剰通院と判断されれば計算上不利になることも。
たとえば、通院日数が50日で期間が6ヶ月なら、通常は90日(6ヶ月×15日)とされることもありますが、頻度が高すぎると「通院の必要性」が疑われ、30日分しか認められないといったケースもあります。
治療継続の判断と弁護士のサポート
治療の継続に悩む場合は、まず主治医に相談し、医学的に通院の必要があるかを明確にしましょう。医師の診断書や意見書があれば、保険会社への説明も容易になります。
また、交通事故に強い弁護士に相談することで、慰謝料や治療費の適正な支払いを受けられるよう交渉を代行してもらえるため、安心して治療に専念できます。
実際の通院例と注意点
実例として、60回以上通院したケースで医師が「毎日の物理療法が効果的である」と記載していたため、慰謝料が満額認められたという判例もあります。
一方で、診断内容や症状の一貫性に欠ける場合や、カルテに「症状なし」「改善傾向」といった記述があった場合には、治療の正当性が否定されるリスクもあります。
まとめ:必要な治療であれば通院をためらわないこと
頚椎捻挫による通院は、医師の診断と自身の症状に従って適切に判断することが大切です。「通いすぎると損」というより、「根拠ある治療であれば問題ない」が正しい理解です。
ポイントは、医師の指示に基づいた通院であることを記録に残すこと。不安がある場合は、弁護士や交通事故専門の支援窓口に早めに相談しましょう。