黄色信号と矢印信号の違いとは?複数信号がある交差点での正しい判断と道交法の基準

交差点での信号は、進行方向やタイミングによって表示内容が異なるため、運転者にとって混乱しやすい要素のひとつです。特に「矢印信号から黄色信号に変わった瞬間」に直進しても良いのかどうかは、道交法を正しく理解していないと誤った判断につながることも。本記事では、そうした場面での運転行動と道路交通法上のルールについてわかりやすく解説します。

交差点の信号の構成と種類

日本の交差点に設置されている信号機は、基本的に「通常信号(赤・黄・青)」と「矢印信号(進行方向限定)」に分かれています。矢印信号は、右折・左折・直進など特定の方向にだけ有効で、通常信号とは独立して動作します。

たとえば、右折専用レーンに矢印が出ている間、直進や左折の車線が赤信号のままというのは珍しくありません。このとき、直進車が「右折矢印の終了と同時に表示された黄色信号」を自分の信号と勘違いするケースがあります。

黄色信号の意味:すぐに止まれるなら停止が原則

道路交通法第2条および施行令第2条によれば、黄色信号は「停止位置を越えて進行してはならない。ただし、停止位置に近づいていて、安全に停止できない場合はそのまま進行してよい」とされています。

つまり、黄色信号は「進んでもよいサイン」ではなく、「基本は止まれ、やむを得ないときだけ進行可」という位置づけなのです。

矢印信号から黄色信号への切り替え:どの信号を見るべきか

ここで重要なのは、「どの信号が自分の進行方向に対応しているか」です。たとえば、赤信号中の直進車線で、右折矢印が出ていた場合、その矢印信号が消えたあとに点灯した黄色信号が「右折車線のもの」である可能性もあります。

誤って自分の進行方向の信号ではない黄色を見て進行すると、信号無視として取り締まりの対象になるリスクがあります。

道交法に明記されている内容と判例

道路交通法第7条では、「信号機が設けられている場所においては、その信号に従って通行しなければならない」と明記されています。また、警察庁の信号運用基準においても、「車両等は、その進行方向を表示する信号のみに従うこと」とされています。

このことから、たとえ黄色信号であっても、それが自分の車線の信号でない場合は進行してはいけません。実際の判例でも、「誤認による進行」は交通違反として成立する可能性があると判断されています。

複数信号がある場面での注意点と安全な判断

交差点で矢印信号や複数の灯火が存在する場合、自車の進行方向に対応した信号を正確に見る必要があります。見間違えを避けるためのポイントは以下の通りです。

  • レーンごとの信号灯を事前に確認する
  • 「交差点信号配置図」が示されている場合は参考にする
  • 判断に迷ったときは、無理をせず停止を選ぶ

とくに夜間や雨天時は視界が悪くなり、信号の見間違いが起きやすくなるため慎重な運転が求められます。

まとめ:信号の切り替えに惑わされず、自分の進行方向の信号を確認しよう

交差点での黄色信号は「原則停止」、そして「自分の進行方向に対応した信号にのみ従う」というのが道交法上の基本です。矢印信号が消えたあとの黄色灯を見て進行するのは、信号の誤認による違反となる可能性があるため注意が必要です。

安全な運転のためには、信号の種類や配置に慣れ、疑問があれば進まず確認する姿勢を心がけましょう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール