個人再生手続き中の通帳提出とギャンブル利用の注意点|履行テスト中でも気をつけたいポイント

個人再生は借金の大幅な減額を目指せる法的手続きですが、その過程では収支の状況を正確に開示する必要があります。中でも「通帳の提出」や「履行テスト中の生活態度」は、裁判所の判断に大きく影響する重要な要素です。本記事では、通帳の提出がいつまで必要なのか、ギャンブルはどこまで許容されるのか、具体的な注意点を整理して解説します。

個人再生における通帳提出のタイミング

一般的に、個人再生の申立て時に通帳のコピー(直近2年分程度)を弁護士経由で裁判所に提出します。この提出は一度きりのように思われがちですが、裁判所や再生委員が必要と判断すれば、認可決定前後にも追加提出を求められることがあります

特に再生計画の履行能力や生活態度に疑義がある場合には、再度通帳の提出や詳細な収支報告を求められるケースもあります。つまり「一度出したら終わり」とは限らないという点に注意が必要です。

履行テスト中の生活とその意図

履行テストとは、個人再生で減額された借金をきちんと支払えるかを見るため、弁護士の指定口座に定期的に入金を行う試みです。これは数ヶ月にわたり行われ、安定した支払い能力と金銭感覚を確認する目的があります。

この期間中、生活費に無理がないことが重要視されます。支払いと同時にギャンブルや無計画な買い物が頻発すると、裁判所は「再生計画の履行に不安あり」と判断する可能性があります。

ギャンブルの扱いと注意点

再生手続き中のギャンブルは、基本的には慎むべき行為とされています。特に馬券や舟券の購入は浪費にあたり、再生計画の認可に影響する可能性があるため注意が必要です。

「嗜む程度なら大丈夫」と弁護士から聞いた場合でも、その根拠は裁判所の柔軟な判断に依存しているため、安易に解釈せず、慎重な行動を心がけるのが無難です。

口座を分けてギャンブルすればバレない?

たとえ別口座を利用していても、金融機関や送金履歴の調査から裁判所に把握される可能性はあります。また、口座が複数あっても、申告漏れや虚偽申告が発覚すれば手続き自体が打ち切られるリスクも伴います。

個人再生は「誠実な債務整理を行う姿勢」が前提です。裁判所や再生委員が不信感を持てば、結果として認可が取り消される可能性もゼロではありません。

信頼を損なわないためにできること

手続き中は以下のような行動を意識しましょう。

  • 収支は正確に記録・報告する
  • 全ての口座を申告する
  • ギャンブルや高額な買い物は控える
  • 弁護士に逐一相談して判断を仰ぐ

再生計画は生活再建のためのチャンスです。軽率な行動で信頼を損なうと、そのチャンスを自ら手放すことになりかねません。

まとめ:誠実な態度が手続き成功の鍵

個人再生では通帳の提出は一度だけとは限らず、手続き全体を通じて生活態度が問われます。ギャンブルのような浪費行動は厳しく見られることが多く、履行テスト中であっても慎重な行動が求められます。

弁護士との連携を密にし、必要な報告・相談を怠らないことが、認可を受ける上での大きなポイントです。

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