夜間や見通しの悪い場所で車を運転中、他車との接触に気づかないまま不安になるケースは少なくありません。実際に接触があったのか、気づかないうちに当て逃げと見なされるのか——こうした不安を感じたとき、冷静にどう対応すべきかを解説します。
接触したかどうか不安なときの初動対応
まず重要なのは「衝撃がなかった」「音がしただけ」といった主観的な判断ではなく、可能な限り客観的な確認を行うことです。接触の可能性があると思ったら、必ず車を安全な場所に停め、確認を行いましょう。
もし相手の車に異常が見当たらず、衝撃も感じなかったとしても、「見落としがあったかもしれない」と感じた場合は、念のため警察に自己申告しておくことが賢明です。事故の有無にかかわらず、後から「逃げた」と誤解されるリスクを減らせます。
警察に連絡すべきタイミング
運転中に「もしかして接触したかも」と思った場合、たとえ確信がなくても警察に連絡するのは正しい行動です。軽微な事故であっても、自己判断で済ませてしまうと後にトラブルになる可能性があります。
警察への通報は、事故の有無の確認にも役立ちますし、報告しておくことで「逃げた」という誤解を防げます。連絡は110番ではなく、最寄りの警察署や交通相談窓口に直接電話して相談するとよいでしょう。
当て逃げと見なされる可能性は?
日本の道路交通法では、物損事故を含め「事故を起こした者は、直ちに車を停止し、被害者の救護や警察への報告義務を負う」と定められています。たとえ軽微でも接触があり、それを自覚していながら報告しなかった場合は、当て逃げ(ひき逃げ)と見なされる可能性があります。
一方で、接触の有無を全く認識していなかった場合、それが故意でない限り、重大な法的責任を問われる可能性は低いとされています。ただし、後日相手から警察に通報があった場合に備え、ドライブレコーダー映像を保存しておくことをおすすめします。
ドライブレコーダーの映像は証拠になる
不安を感じたとき、車両にドライブレコーダーが搭載されている場合は必ず映像を確認しましょう。記録された日時や状況は、事故の有無を客観的に示す強力な証拠になります。
たとえば「砂利を踏んだ音」や「寄ったときの映像」などが記録されていれば、物理的な接触がなかったことの証明に役立ちます。保存期間を過ぎると自動で上書きされるため、不安を感じたら早めに該当部分を保存しておきましょう。
実際のトラブル事例と対応策
過去には「夜間に駐車場を通過しただけで、後日警察から連絡があった」という事例もあります。このようなケースでは、すぐに警察に連絡して状況を説明し、協力する姿勢を見せることで大事に至らずに済んでいます。
また、後になって相手から修理請求が届いた場合にも、早期に警察と保険会社に相談しておくことで、対応がスムーズになります。特に物損事故に関しては、加入している自動車保険の補償範囲も確認しておきましょう。
まとめ:不安があるならすぐ行動を
「もしかして接触したかも」と不安を感じたら、たとえ確信がなくても一度警察に相談しておくことが重要です。後から思い出しても通報が遅れるほど不利になりかねません。心配な状況ほど早めの行動を心がけ、証拠となる映像や記録を保管することで、万が一のトラブルにも冷静に対処できます。