有料の英語クラスで絵本の読み聞かせはOK?著作権と実務上の注意点を解説

英語の有料クラスで子どもたちに絵本を読み聞かせることを計画している方にとって、「著作権」の問題は無視できません。読み聞かせ自体が著作権に触れるのか、有料の場での使用にどのような制約があるのか、事前に知っておくべきポイントを解説します。

読み聞かせと著作権の基本的な考え方

著作権法上、絵本の「朗読」は公衆への口頭伝達として「公衆送信権」や「上演権」などの対象になります。特に営利目的での使用の場合、著作権者の許諾が必要になるケースがあります。

ただし、非営利・教育目的の範囲であり、かつ無料の読み聞かせイベントなどでは「著作権法第38条」によって許容されることもあります。有料の英語クラスではこの例外に当てはまらない可能性が高い点に注意が必要です。

有料クラスで読み聞かせをする場合の注意点

有料の英語教室で読み聞かせを行う場合は、基本的に以下のいずれかの方法をとることで著作権リスクを回避できます。

  • 出版社や著作権管理団体から読み聞かせの許可を得る
  • 読み聞かせフリーと明記された絵本を使用する
  • 著作権が消滅したパブリックドメインの作品を使用する

実際には出版社によってスタンスは異なるため、使いたい絵本がある場合は公式サイトなどでガイドラインを確認しましょう。

出版社による読み聞かせ許可のガイドライン例

例えば、岩崎書店や福音館書店などは、読み聞かせに関する明確なガイドラインを示しています。中には「非営利に限る」「録音・録画は不可」などの条件が付くこともあるので、必ず目を通しましょう。

中には、申請すれば有料イベントでの読み聞かせも承諾してくれる出版社もあります。問い合わせフォームやメールで相談してみるのも一つの手段です。

パブリックドメインや商用利用可能な絵本の活用

著作権が切れた作品(原則として作者の死後70年経過)や、CCライセンス(Creative Commons)で商用利用が認められた絵本を使えば、法的なリスクは大幅に下がります。

たとえば、英語であれば「Project Gutenberg」などのサイトから無料で利用可能な絵本をダウンロードできます。国内外の教育用素材サイトにも、有償・無償で利用可能なものが存在します。

英語の歌や手遊びはどうなのか?

英語の歌や手遊びについても、著作権の保護対象になることがあります。「Twinkle Twinkle Little Star」や「ABC Song」などの伝統曲はパブリックドメインに分類される場合が多いですが、アレンジや録音音源などには個別に権利が発生していることがあるため注意が必要です。

歌詞カードや音源を配布したり、録画・配信する場合には特に慎重に扱いましょう。

まとめ:有料英語クラスでの絵本使用は慎重に判断を

有料の英語クラスで絵本を読み聞かせる際には、著作権者の許可が原則として必要です。著作権フリーの作品や、読み聞かせが認められている絵本を活用することで、安全にクラス運営が可能になります。

子どもたちにとって楽しい英語時間となるよう、法律の範囲内で工夫して教材を選びましょう。読み聞かせの許可やパブリックドメインの活用を上手に使い分けることが、安心できる教室づくりの第一歩です。

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