交通違反の取り締まりに納得がいかないという経験は、誰しも一度はあるかもしれません。特に「一時停止違反」は取り締まりの中でも多く、見解の相違や誤解が生じやすいものです。今回は、一時停止違反で青切符を切られたが納得がいかないケースについて、法的観点や実際の対応方法を解説します。
一時停止義務とは:どのように「停止」しなければならないのか
道路交通法では、「停止線または交差点の直前で車輪を完全に停止させる」ことが一時停止の定義です。完全停止(タイヤが回っていない状態)をしなかった場合、たとえ徐行して安全確認をしていたとしても違反と判断されることがあります。
「止まらないと左右確認できないはずだ」と感じる方も多いですが、警察は実際に停止したかどうかを明確に確認しており、減速や徐行は停止とはみなされません。
青切符の仕組みとサインしたあとの影響
青切符に署名すると、その内容に事実上「異議なし」としたとみなされます。ただし、サインをしてしまっても争う手段が完全に失われるわけではありません。
青切符による違反点数や反則金は、軽微な違反を簡略に処理する制度ですが、どうしても納得できない場合は異議申し立てや略式起訴拒否の選択も理論上可能です。ただし、現実には非常に手間とコストがかかる点を理解しておく必要があります。
警察官の対応に問題があると感じたら
「口頭注意と言われたのに切符を切られた」など、現場での警察官の説明が曖昧だったり誤解を生む場合もあります。このようなケースでは、まずは冷静に以下の対応を取ることが重要です。
- 違反の日時、場所、警察官の氏名や所属を記録
- 当日の状況をできるだけ詳細にメモ
- 記憶が鮮明なうちに自分用の記録を作成
そのうえで、県警の苦情相談窓口に連絡し、経緯と不服の旨を伝えることができます。
異議申し立て・争う手段はあるのか?
青切符で違反を受けた場合、以下のような対応が可能です。
- 反則金を支払わず、正式裁判(刑事訴訟)を選択
- 都道府県公安委員会へ苦情申立てをする
- 弁護士へ相談し、不服申し立ての実務的支援を受ける
ただし正式裁判を選んだ場合、無罪を立証する証拠や証言が求められ、時間や労力も必要になります。正当性が明らかな場合を除いて、現実的にはあまり選ばれません。
今後同じことを防ぐためのポイント
警察の取り締まりは一見厳しすぎるように見えることもありますが、交通事故の未然防止を目的に行われています。以下のような点に注意することでトラブルを避けられます。
- 一時停止標識では必ず明確に車体を停止
- 左右の安全確認を「止まって」から行う
- ドライブレコーダーなどを活用して自衛
万が一トラブルに巻き込まれても、映像記録や客観的証拠があれば対応がスムーズになります。
まとめ:不満があるときは冷静に記録と相談を
納得のいかない交通違反の取り締まりを受けた場合でも、冷静に対応し、記録を取り、適切な窓口に相談することで、後からの見直しが可能になることもあります。
警察の言動や説明に不安や不信を感じた場合でも、感情的な対立ではなく、法的なプロセスや制度を利用して対応することが、最も効果的な対策になります。