交通量の多い市街地などで起きやすい、原付バイクと自動車のミラー同士の接触事故。軽微なものであっても、相手方が警察へ届け出を出している場合、無視や放置はリスクを伴います。本記事では、事故後に相手と連絡がつかない場合の対応について、法的・実務的な観点から詳しく解説します。
軽微な物損事故でも「事故」として記録される
たとえ「コツン」と当たっただけの接触でも、交通事故として処理される可能性は十分にあります。実際、警察が被害届を受理している場合、物損事故として記録され、事故証明も発行されることがあります。
このようなケースでは、運転者としての法的責任(民事賠償責任)は免れません。事故証明書の有無が、保険適用の可否にも影響します。
相手方と連絡がつかない場合の選択肢
相手から連絡がなくても、できるだけの誠意を示す行動を取ることが肝要です。たとえば、留守番電話に謝罪の旨を伝える、SMSで連絡する、など複数手段を講じましょう。
なお、複数回の連絡努力が記録として残っていれば、後日法的トラブルになった際にも「誠意ある対応」をした証拠になります。
保険会社への相談と報告の重要性
任意保険に加入している場合は、たとえ相手が連絡を無視していても、速やかに保険会社に報告しておくことが推奨されます。
物損事故対応の一環として、保険会社が相手方と交渉してくれるケースもあります。自身での対応に限界を感じたら、保険会社の専門家に任せるのが賢明です。
相手からの連絡がないからといって「放置」は危険
もし相手が後日、高額な修理費用を請求してきたり、「誠意がない」と損害賠償請求や訴訟を起こす可能性も否定できません。
そのため、最低限の連絡を取り続けた証拠(発信履歴・送信記録)を残しておくことで、法的なトラブルを回避できます。
警察処理済みであっても安心できない理由
警察での事故処理が済んだ=責任が免除された、というわけではありません。刑事処分や行政処分は別問題ですが、民事責任(損害賠償)は残るため、相手がいつ損害を主張してくるか分かりません。
特に物損の時効は3年あるため、相手が連絡を控えていても、後日請求してくるケースもあります。
まとめ:誠実な対応が最善の予防策
原付バイクによる軽微な接触事故であっても、誠実な対応を継続することがトラブル防止につながります。相手と連絡がつかない場合も、複数回の連絡履歴を残す、保険会社に報告しておくなど、適切な措置を講じておくことが重要です。
たとえ相手が沈黙を続けても、「何もしなかった」と「何かしようとした」では、法的評価が大きく異なることを忘れずに行動しましょう。