施工不備による修繕費用請求を調停で解決したい場合の申立書類と代理申請のポイント

住宅リフォームや修繕工事に関するトラブルは珍しくなく、特に施工不備が原因で二次的な対応を余儀なくされた場合、その費用をどう請求するかは重要な課題です。今回は、屋根塗装の施工不備によって他業者で修繕を行い、その費用の支払いを元請業者に求めたい場合において、どのような調停申立書類を選択すべきか、また高齢の契約者に代わって家族が代理で申立てをする際の手続きについて解説します。

今回のケースに該当する調停の種類

裁判所に申し立てる場合、「民事調停申立書(一般民事・金銭請求など)」が該当します。訴状ではなく、まずは話し合いで解決を図る調停の段階であれば、「民事調停申立書」の使用が一般的です。

裁判所ウェブサイトでは書式がいくつかありますが、金銭の支払い請求(損害賠償や立替費用の返還など)に関しては、「一般民事調停事件申立書(民事調停)」という名称で用意されています。

申立書には、次のような要点を記載します。

  • 相手方の情報(法人であれば会社名と代表者)
  • 請求内容(修繕費用〇〇円の支払い)
  • トラブルの経緯(施工不備・社長の死亡・保険不適用・代理人からの支払い拒否など)
  • 添付資料(契約書、修繕の領収書、やり取りの記録など)

申立書の提出先と費用について

提出先は原則として、相手方(業者)の所在地を管轄する簡易裁判所です。調停は簡易裁判所で行われます。

費用は申立手数料と郵券(切手代)です。例として、50万円を請求する場合、収入印紙は1,000円程度、郵券は数千円で済みます。詳しくは管轄の裁判所HPで確認可能です。

高齢者に代わって家族が代理で申請する場合

本人以外が申立てを行う場合、本人の委任状が必要です。法的代理人(弁護士)でなくても、家族が代理人になることは可能です。

提出するべき主な書類は以下の通りです。

  • 委任状(本人の自署押印が望ましい)
  • 本人と代理人の本人確認書類の写し
  • 代理人との続柄が確認できる資料(同居していれば住民票など)

委任状の例文は次のようになります。

委任状
私は下記の者を代理人と定め、民事調停申立てに関する一切の手続きを委任します。

令和〇年〇月〇日
本人氏名:山田 太郎(署名)
住所:東京都〇〇区〇〇〇〇番地

代理人氏名:山田 花子
住所:同上
本人との関係:子

調停の場にも代理人が出席できますが、本人の意思確認が重要になる場面もあるため、裁判所から本人に確認の電話等が入ることもあります。

申し立ての準備に必要な添付資料

調停をスムーズに進めるには、可能な限り資料を揃えておくことが大切です。具体的には。

  • 施工契約書・見積書・請求書
  • 施工不備を示す写真
  • 他業者による修繕の領収書・見積書
  • 業者とのやり取り(メール・LINE・手紙など)
  • 弁護士から届いた書面

これらの資料を時系列で整理しておくことで、裁判所や調停委員にも状況が伝わりやすくなります。

まとめ|調停申立は「一般民事調停」が基本、代理人対応には委任状を

施工不備により発生した修繕費用を請求するために調停を行う場合は、「一般民事調停申立書(金銭請求)」を選択しましょう。高齢の契約者に代わって家族が対応する際には、委任状や本人確認書類を添えることで代理申請が可能です。

申立て前には、事実関係や証拠資料を丁寧に整理しておくことが円滑な進行のカギです。わからない点があれば、簡易裁判所の窓口や法テラスに相談するのも一つの手段です。

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