自己破産でどこまで借金は免除される?個人債務・住宅ローン・会社負債の扱いをわかりやすく解説

借金が膨らみ返済が困難になったとき、「自己破産をすればすべての負債から逃れられるのか?」という疑問は、多くの方にとって現実的な関心事です。ここでは自己破産の対象範囲や免責の限界、住宅ローンや会社債務の扱いまで含めて詳しく解説します。

■自己破産とは?免責の仕組み

自己破産とは、裁判所に申し立てて借金の返済義務を法律的に免除してもらう制度です。破産手続開始決定と「免責許可決定」が得られることで、原則として負債はゼロになります。

ただし、すべての借金が自動的に消えるわけではなく、免責される債務と免責されない債務があります。

■個人の借金:原則すべて免責対象

消費者金融・カードローン・クレジットのキャッシングなど、個人が負っている債務の多くは、自己破産により免責の対象となります。

たとえば、100万円以上の借金があるケースでも、収入・資産状況によっては全額免除されます。

■住宅ローン:家を手放す代わりに免除される

住宅ローンも免責対象になりますが、担保付き債権のため、原則として住宅は手放すことになります。金融機関は担保権を行使して競売または任意売却により回収を図ります。

つまり、「住宅ローンから逃れたい場合、家を失うことが前提」です。

■会社の負債:経営者保証の有無に注意

法人の債務は会社が負うもので、原則として代表者個人の責任ではありません。ただし、中小企業の融資には「代表者保証」がついていることが多く、経営者が連帯保証人となっている場合、その負債も個人の債務として扱われます

この場合、個人の自己破産手続きにおいて、会社債務も含めて免責の申立てをすることになります。

■免責されない主な債務

  • 税金(住民税・所得税・固定資産税など)
  • 養育費・婚姻費用
  • 罰金・過料・損害賠償の一部(故意や重過失による不法行為)
  • 交通事故の酒酔い運転による損害賠償

これらは自己破産しても免除されませんので注意が必要です。

■実例:借金700万円+住宅ローンありのケース

ある40代男性は、カードローンと銀行ローンの合計700万円に加えて、住宅ローン残債が2,000万円以上ありました。

自己破産の申立てにより、カードローン等の債務は免責され、住宅は任意売却し残債は全額免責。ただし、税金20万円分は別途分割で支払うこととなりました。

■まとめ

・自己破産は個人債務・会社負債(保証人分)・住宅ローンにも広く適用されます。

・住宅ローンは免除されますが、家は手放す必要がある点に注意。

・税金や養育費など、一部の債務は免責対象外です。

・会社経営者は個人保証の有無を確認した上で、破産を検討するのが重要です。

まずは専門の弁護士や司法書士に相談し、適切な債務整理手続きを選択することが大切です。

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