ハンドメイドアクセサリーとPL法:隙間や接着不良によるリスクと法的責任を解説

ハンドメイドアクセサリー制作において、接着部分のわずかな隙間や構造上の安全性について心配になる方も多いのではないでしょうか。特に、PL法(製造物責任法)との関係について不安に感じる声が多く聞かれます。本記事では、PL法の基本と、接着不良が引き起こす可能性のある問題、そしてトラブルを未然に防ぐ工夫について詳しく解説します。

PL法(製造物責任法)とは?

PL法とは、「製造物の欠陥によって消費者に被害が生じた場合、製造者が無過失で責任を負う」とする法律です。対象は工業製品だけでなく、販売された製品すべてに適用され、個人のハンドメイド作品も対象になり得ます。

「欠陥」とされるのは、通常予見される使用方法において危険が生じる場合であり、「製品としての安全性が欠けている」と判断されたときです。

接着面の隙間は「欠陥」とみなされるのか?

アクセサリーにわずかな隙間があることで、衣類の糸が引っかかり、それが原因で使用者がケガをする場合、「通常予見される使用形態」と判断される可能性があります

特に肌に近い位置で使用するピアス、ネックレス、指輪などは「安全設計」が求められるため、製作者側が予見できる構造上のリスクを放置していたと見なされると、PL法の責任を問われる可能性があります。

実際のトラブル事例と裁判例

たとえば、金属部品の接合部に鋭利なバリ(削り残し)があり、装着者が皮膚を切ったという事例では、「安全性に欠ける設計」として製造者側に一定の責任が課されました。

また、服やカバンとの摩擦によって装飾が外れやすくなった場合、「構造上の強度不足」が問われた例もあります。

PL法の観点から安全対策として行うべきこと

  • 隙間のある箇所はパテや樹脂で埋めるなど処置をする
  • 糸や布が絡まりそうな箇所に丸みを持たせる
  • 販売時に「装着時や保管時に衣類に引っかからないよう注意してください」といった注意書きを添える
  • 定期的な製品の検品・破損確認を行う

これらの対応は、「予見可能なリスクに対して合理的な措置を講じた」として、万が一の際の製造者責任の軽減にも繋がります。

保険の活用と法的備えも重要

個人事業者であっても、ハンドメイド作家向けの「生産物賠償責任保険(PL保険)」に加入しておくことで、万が一の事故に備えることができます。

また、ショップページや商品タグに「注意書き」「免責事項」「取扱説明」を記載することで、トラブルの未然防止に効果的です。

まとめ:安全設計とリスク予見がハンドメイド販売の鍵

アクセサリー制作においても、接着面の隙間や構造上の不備が思わぬトラブルに発展する可能性があります。PL法では「予見できるリスク」に対して適切な措置が求められます。

安全な製品づくりと、購入者への丁寧な説明、そして万が一に備えた保険加入が、安心してハンドメイド作品を提供するためのポイントになります。

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