交差点での左折時、信号が青であっても歩行者との接触リスクがある場面は少なくありません。特にドラレコの普及によって、運転マナーや違反行為が客観的に記録されるようになった今、その判断が後々トラブルや責任問題に発展するケースも増えています。
青信号でも歩行者優先は絶対
道路交通法第38条では、「横断歩道を横断している歩行者がある場合、車両はこれを優先しなければならない」と定められています。つまり、信号が青であっても、横断歩道に歩行者がいる限りは停止する義務があります。
仮に一台分の距離があり、通過できるタイミングであっても、それはドライバーの自己判断であり、万一接触があれば全面的に車両側の過失となる可能性があります。
前の車が通過しても合法とは限らない
前方車両が左折時に歩行者を無視して通過した場合、それが必ずしも「合法」ではありません。歩行者が驚いて立ち止まったり、後退したような様子がドラレコに記録されていれば、明らかな交通違反(横断歩行者妨害等違反)に該当する可能性があります。
ただし、歩行者が信号無視や斜め横断をしていたなどの状況があれば、事情は変わります。ドライバーの違反成立には、歩行者の動きと車両の動作、信号の状態が正確に記録されている必要があります。
ドラレコ映像の警察への提出と処罰の可能性
ドライブレコーダーに録画された映像は、警察への提出によって交通違反の証拠として活用されることがあります。特に、歩行者妨害や危険運転が明白な場合は、行政処分(反則金や違反点数)の対象になる可能性もあります。
ただし、提出されたドラレコ映像が必ず処罰に結びつくとは限りません。警察がその内容を精査し、現場の状況や映像の鮮明さ、証拠としての信憑性を総合的に判断します。
左折時の安全確認のポイント
- 歩行者がいないか確認するため左右両方の歩道をよく見る
- 前の車についていく際も独立した判断を心がける
- 歩行者がいたら完全停止し、アイコンタクトを取る
特に信号が変わった直後や、周囲に小さな子供がいる場合は、予期しない横断があることを想定しておきましょう。
実例:違反で取り締まりを受けたケース
2022年に発生したあるケースでは、横断歩道に歩行者が渡っていたにもかかわらず、ドライバーが停止せずに通過。後日、歩行者がその映像を警察に提出し、横断歩行者等妨害等違反として2点の減点と反則金9000円が科されました。
このように、後日でも証拠映像があれば行政処分の対象になり得るのです。
まとめ:ドラレコと交通ルールで安全運転を
たとえ信号が青でも、歩行者が横断中であれば車は停止しなければなりません。前の車が通過しても、それに続いて通行することは非常に危険で、場合によっては違反になる可能性があります。
ドラレコは客観的な証拠として警察に提出することも可能ですが、その処分は警察の判断に委ねられます。安全第一で慎重な運転を心がけることが、トラブルを未然に防ぐ最善の策です。