交通事故の直後、見た目に大きな外傷がなくても体内ではさまざまなダメージが発生している可能性があります。この記事では、事故後に現れることのある「血尿」や「飛蚊症」などの症状について、医療的な観点からその原因と対処法を解説します。
交通事故と血尿：腎臓・膀胱の損傷に注意
交通事故による急激な衝撃やシートベルトによる圧迫によって、内臓にダメージが生じることがあります。特に腎臓や膀胱などの泌尿器系は、外傷がなくても出血や炎症を起こし、それが血尿として現れる場合があります。
たとえば、事故の際に腰部や背部を打っていなくても、衝撃によって腎臓が一時的に圧迫されることで、微細な血管が破れて血尿が出るケースも報告されています。多くは数日で治まることが多いものの、継続するようであれば泌尿器科での精密検査が推奨されます。
飛蚊症が交通事故と関係することも
飛蚊症は、目の前に虫や糸くずのような影が見える現象です。多くは加齢によるものですが、交通事故による頭部や眼球への衝撃が原因で、硝子体の変化や網膜剥離が起こり、飛蚊症が出現することもあります。
特に事故直後から飛蚊症が発症した場合は、眼科での検査が必要です。放置すると視力低下や失明の原因となる網膜裂孔や剥離のリスクもあるため、軽視は禁物です。
事故後に見逃されやすい症状とは？
交通事故では、以下のような一見軽微に見える症状が見逃されがちです。
- 数日後に出る血尿や腰痛
- 吐き気やめまい
- 視覚異常（飛蚊症・かすみ目）
- 軽度な腹痛
これらは内臓損傷や脳震盪などの兆候である可能性があります。事故の規模に関係なく、違和感がある場合は早めに検査を受けましょう。
事故後の診察が中断された場合の対処法
休日外来で医師が不在だった、時間が遅かったなどで受診できなかった場合でも、後日に医療機関を再受診することは非常に重要です。特に事故に起因する症状が続いている場合、事故との因果関係を証明するためにも医療記録は大切です。
また、事故後の症状は自賠責保険の適用対象になることもあるため、受診の際には「事故による受傷である」と必ず申告しましょう。
医師への相談と記録の重要性
事故後に現れる症状は時間差で出ることも多いため、すべての異変を記録し、医師に伝えることが大切です。メモや写真を使って、症状の経過を把握することで、適切な診断と治療につながります。
飛蚊症が続いている場合も、「交通事故がきっかけだった」と伝えることで保険請求や治療方針が大きく変わることがあります。
まとめ：軽症と思っても油断せず適切な検査を
交通事故は外傷の有無に関係なく、体に深刻な影響を与えることがあります。血尿や飛蚊症といった一見軽微な症状も、内臓損傷や眼疾患のサインであることがあります。
早期の診断・治療が後遺症予防に直結するため、異変を感じたら必ず専門医に相談しましょう。