近年、盗撮は単なる悪質な趣味やスリル目的だけでなく、嫌がらせや晒し行為として悪用されるケースが増加しています。特定の人物を執拗に狙い、無断で撮影する行為は明らかにプライバシーの侵害であり、精神的な苦痛を伴う深刻な問題です。本記事では、そのような被害に悩む方に向けて、現実的な法的対応、自衛策、相談先について詳しく解説します。
盗撮は何の罪にあたるのか?
盗撮行為は多くの場合、刑法の「迷惑防止条例違反」や「軽犯罪法違反」「ストーカー規制法違反」などに該当します。たとえ公共の場であっても、特定の人物を狙って意図的に撮影した場合は、プライバシー侵害や名誉毀損にも発展し得ます。
実際、盗撮加害者がSNSで写真を拡散し、社会的信用を損なわせた事例では、損害賠償請求が認められたケースもあります。証拠があれば民事・刑事両面での対応が可能です。
撮影されていると感じたときの初動対応
盗撮に気づいた際は、まずその場での無理な追及は避け、安全確保を最優先に行動してください。そのうえで、以下の行動を取りましょう。
- スマホなどで相手の様子を記録(証拠確保)
- 近くの交番へ直行して通報・相談
- 周囲の目撃者がいれば名前・連絡先を確認
特に証拠となる動画や写真、加害者の服装・時間帯などは記録しておくと、後の法的対応において非常に有効です。
SNS上で晒されているか確認する方法
自分の名前や顔写真がSNS上に出回っているか確認したい場合は、Google画像検索、X(旧Twitter)やInstagramで関連キーワードやハッシュタグを組み合わせて検索する方法が有効です。
「位置情報+服装の特徴」「ニックネーム・あだ名」「当日の出来事」などを手がかりにして検索すると、特定に繋がる投稿が見つかる可能性があります。また、AI画像検索ツールやモニタリングサービスの利用も一つの方法です。
加害者不明でもできる法的手続き
加害者が特定できていない段階でも、弁護士を通じて「発信者情報開示請求」や「仮処分申立て」を行うことで、SNS運営会社やプロバイダから投稿者の情報を開示してもらえる可能性があります。
この手続きを進めるには、投稿の保存や日時、被害の詳細などが必要となります。法律事務所の中には「盗撮・ネット中傷」に特化した無料相談窓口を設けているところもあるため、早期の相談をおすすめします。
盗撮を防ぐために日常でできる自衛策
完全に盗撮を防ぐことは難しいですが、以下のような工夫でリスクを減らすことができます。
- 人通りが少ない道ではなく、監視カメラや店員の目がある場所を選ぶ
- スマホを向けられたと感じたら、カメラ方向を目視確認して記録
- 同じ人物を何度も見かける場合は日記やメモに記録を残す
また、防犯ブザーの携帯や録音機能付きICレコーダーの活用も、証拠収集と安全確保の両面で役立ちます。
精神的に限界を感じたときの支援窓口
盗撮や晒し行為によるストレスが深刻な場合、心身の健康を守るためにもカウンセラーや医療機関への相談は重要です。また、以下のような公的支援も活用できます。
あなたの感じている恐怖や不安は、決して「気のせい」ではありません。早めに相談し、心と暮らしを守る行動を始めましょう。
まとめ:盗撮被害に立ち向かうために必要な視点
執拗な盗撮や嫌がらせは、れっきとした加害行為です。たとえ加害者が匿名や遠くからの行動であっても、適切な証拠と手続きをもってすれば、被害を止め、責任を追及することが可能です。
一人で悩み続ける必要はありません。法的対応と自衛策を組み合わせ、信頼できる相談先に繋がることで、日常を取り戻す第一歩が開けるはずです。