交通事故後の示談手続きにおいて、休業損害の証明書が会社から返却されず進まない…そんな経験をする方が少なくありません。特に、労務士が関与している場合は注意が必要です。本記事では、証明書の処理が遅れる理由や対処法を詳しく解説します。
休業損害証明書とは?
休業損害証明書は、被害者が事故で就労できなかったことを証明する書類です。通常は会社の総務・事務担当者が記入し、弁護士や保険会社に提出します。
この書類に基づいて休業日数や収入を算定し、保険会社が損害賠償額を決定するため、非常に重要な役割を果たします。
なぜ証明書の返却が遅れるのか?
証明書の記入には給与データの照合や労働条件の確認が必要なため、会社の人事部や総務担当では処理しきれず、顧問労務士に依頼されるケースがあります。
労務士が関与すると、他の顧問業務の合間に対応するため処理が後回しになり、返却に3〜4週間以上かかることもあります。
一般的な処理期間の目安
労務士が関わる場合、処理には通常2〜4週間程度が目安とされています。年度末や繁忙期には1か月以上かかるケースも珍しくありません。
一方、社内で完結する場合は早ければ1週間以内で対応されることもあります。企業の体制や業務量により大きく異なります。
催促しても大丈夫?トラブルを避ける伝え方
催促の際は「弁護士からの提出依頼が来ており、示談手続きが進まず困っています」と冷静かつ丁寧に伝えることがポイントです。
書面やメールで伝えると記録も残り、言った言わないのトラブルも回避できます。
実例:労務士関与で1か月待たされたケース
ある事例では、1月中旬に証明書を会社に提出し、返却されたのは2月下旬。理由は「顧問労務士が処理中で、給与データの確認に時間がかかっていた」とのことでした。
このように、業務の優先順位や委託先の対応状況により、想定以上に時間がかかることもあります。
どうしても返却されない場合の選択肢
- 弁護士を通じて会社へ正式な督促文を送る
- 労働基準監督署に相談する(業務妨害と判断される場合も)
- 休業損害を給与明細など別資料で立証する方法を弁護士と検討
まとめ
休業損害証明書の返却が遅れる背景には、労務士の関与や企業の業務体制が影響しています。平均的には2〜4週間程度の処理期間を見込みつつ、それ以上かかるようであれば、適切に催促を行うことが重要です。どうしても対応されない場合は、弁護士の協力や代替資料での対応も視野に入れましょう。