近年、マッチングアプリなどを通じて出会った人から投資話を持ちかけられるケースが増えています。一見魅力的に見える話でも、実はマルチ商法や詐欺的手法が隠されていることが少なくありません。この記事では、実際にあった事例を元に、マルチ商法の特徴や注意すべきポイント、対処法を解説します。
マルチ商法とは?仕組みを理解しよう
マルチ商法(正式には連鎖販売取引)は、「紹介制度」によって利益を得るビジネスモデルです。自分が商品やサービスを購入するだけでなく、新たな購入者を勧誘することで紹介料や報酬が得られる仕組みです。
問題なのは、商品の実態が薄く、儲けの仕組みが人を紹介することに偏っているケース。これは特定商取引法に違反することがあり、社会的にも悪質とされています。
典型的なマルチ商法の勧誘手口
以下は典型的なマルチ商法の特徴です。
- 最初は友人関係や恋愛感情を装って近づく
- 会う回数を重ねて安心感を与える
- 「今後の人生について考えたことある?」など将来不安を煽る
- 話の中で「今しかない」「特別価格」などの言葉を多用
- 最終的に高額な商品や投資ツールを勧められる
本件でも、「AIが投資管理」「今なら40万円」など、不確かな儲け話と高額契約という典型的な手口が確認できます。
合法と違法の境界線とは?
すべてのマルチ商法が違法とは限りませんが、以下に該当する場合は違法の可能性が高まります。
- 勧誘時に事業目的を告げずに会う
- 断ってもしつこく勧誘を続ける
- 商品の実態や価格に合理性がない
- 「絶対に儲かる」と断定する
このような場合は、特定商取引法違反に該当し、行政指導や罰則の対象になることもあります。
怪しいと感じたらどうする?適切な対処法
1. その場で契約しない
マルチ商法は一気に判断を迫るのが特徴です。少しでも怪しいと感じたら、絶対に即決せず、持ち帰って検討するようにしましょう。
2. クーリングオフ制度を活用
万が一契約してしまっても、クーリングオフ制度により8日以内であれば無条件で解約が可能です(※例外あり)。
3. 消費生活センターに相談
全国の消費生活センター(188)に連絡すれば、対応のアドバイスを受けられます。
消費生活センターの検索はこちら
実例:SNSから始まるマルチ商法勧誘
ある20代男性はマッチングアプリで出会った女性から勧誘を受け、「AIが運用する投資」と称した商品を紹介されました。説明会には親戚や“代表”とされる人物が同席し、強い勧誘を受けましたが、契約前に断ったことで被害を回避できました。
同様のケースは国民生活センターでも多数報告されています。マッチングアプリやSNSを使った“新手のマルチ”は年々巧妙化しており、注意が必要です。
まとめ:不自然な勧誘には要注意
- マルチ商法は恋愛や人間関係を利用して勧誘してくるケースがある
- 「必ず儲かる」「特別価格」は要注意ワード
- 契約前に持ち帰って冷静に判断を
- 怪しいと思ったら、消費生活センターや専門家へ相談を
甘い話には裏があるものです。しっかり知識を持ち、冷静に対処することが自分を守る最良の手段です。