「健康保険が使えなくなる」という電話は詐欺?実例と対策から学ぶ“保険金詐欺”の見分け方

「あなたの健康保険証に不正があったので、●●時から使えなくなります」という不審な電話を受け、不安に感じたことはありませんか?実際に病院では何も問題なく保険証が使えたという声も多く、これはいわゆる“保険金詐欺”の典型的な手口のひとつです。本記事では、こうした詐欺の仕組みと対処法をわかりやすく解説します。

■「保険証が使えなくなる」は詐欺の常套句

まず、健康保険証に不正があったから突然使えなくなるという通知を、電話一本で本人に直接伝えることはありません。

全国健康保険協会(協会けんぽ)や市区町村が管理する国保においても、万が一の不備があれば書面による通知が原則です。

■典型的な詐欺手口と“誘導の流れ”

この種の詐欺では次のような流れで被害者を騙そうとします。

  • 突然「健康保険証の不正利用があった」と電話が来る
  • 「このままでは使えなくなる、修正が必要」と言われる
  • 個人情報(マイナンバー・銀行口座)を聞き出される
  • 「手続きには費用がかかる」として振込や支払いを求められる

この一連の流れは、最終的に金銭をだまし取ることが目的です。

■実例:実際にあった類似被害

消費者庁や警察庁の情報によると、

「医療費の還付がある」「保険が無効になる」「国保の切替手続きが未完了」などの理由で、ATMに誘導するケースが多発しています。

特に高齢者世帯を狙った手口では、病院名や保険者番号を偽装してリアリティを高めている事例もあります。

■公的機関が“しない”ことを覚えておく

  • 電話で保険の利用停止を伝えることはありません
  • 手続きのためにATMへ誘導したり、口座番号を聞いたりしません
  • 個人名で「協会けんぽ職員です」と名乗ることは基本的にありません

これらの言動があればすぐ詐欺を疑ってOKです。

■詐欺と気づいたらどうすればいい?

  • 電話が来たらまずは相手の名前・所属・電話番号を聞く(絶対に教えない)
  • 一度電話を切り、ご自身の健康保険証の裏にある連絡先にかけて確認
  • 最寄りの警察・消費生活センター(188)に相談

通話録音やメモを残しておくと、万一の捜査にも役立ちます。

■まとめ

・「健康保険が使えなくなる」という電話は詐欺の可能性が極めて高い

・公的機関は電話一本で保険の利用停止や口座情報を聞くことはない

・不安になったら、まず“かかりつけの保険者”へ正しく確認

・金銭要求やATM誘導があれば詐欺確定、警察・消費者センターへ即相談を

不安な時ほど冷静に、「公式の連絡か?」「お金を要求してきたか?」という視点で見極めることが大切です。

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