運転中のちょっとした油断が思わぬ事故につながることがあります。特に追突事故は発生件数が多く、誰にでも起こりうるものです。相手が軽傷であっても「人身事故」として扱われた場合、免許停止や罰則への不安を抱える方も多いのではないでしょうか。本記事では、初めて追突事故を起こしてしまったドライバーが取るべき対応と、免許への影響についてわかりやすく解説します。
追突事故の基本と人身事故との違い
追突事故は、停車中または徐行中の車両に対して後方から接触する事故で、過失割合が基本的に追突側(加害者)100%とされます。さらに、相手にケガがあると「人身事故」、ケガがない場合は「物損事故」として分類されます。
たとえば、相手が事故後に病院で診察を受け「頸椎捻挫(むち打ち症)」と診断された場合、診断書を警察に提出すれば人身事故として扱われます。この時点で運転者の責任は一段階重くなることに注意が必要です。
初めての事故で人身扱いされた場合の免許への影響
人身事故として処理されると、違反点数が加算されます。追突事故で相手に軽傷(治療期間15日未満)を負わせた場合、一般的に加算される点数は「3点」となります。ただし、治療期間が長引く、過失が重大と見なされると「6点以上」となる可能性もあります。
免停になるかどうかは、事故時点での累積点数によります。初回の違反で3点加算された場合、免許停止には至りません。しかし、すでに他の違反がある場合や過去1年以内に違反歴があると免停の可能性があります。
行政処分と刑事処分の違いに注意
事故によって科される処分は「行政処分(免許停止など)」と「刑事処分(罰金・起訴など)」の2つに分かれます。たとえ軽微な事故でも、人身扱いになれば原則として「安全運転義務違反」として刑事処分対象となり、略式起訴の上で罰金が課されるケースが一般的です。
具体的には、追突事故による罰金は3万円~10万円前後が多く、前科とはなりません。ただし、支払いを怠った場合や、過失が重いと判断された場合には起訴されることもあります。
事故後の誠実な対応が処分にも影響する
事故直後に警察・保険会社へ適切に連絡し、相手への謝罪や体調の確認を丁寧に行うことで、処分の軽減や印象の改善につながることがあります。相手が「軽症だから」と言ってくれたとしても、定期的に連絡を取り、誠意をもって対応することが大切です。
また、事故当日の状況や相手の発言、診断内容などをメモしておくと、保険会社や警察とのやり取りでも役立ちます。
今後同じミスを繰り返さないために
初めて事故を起こした方の多くが「自分は運転が下手なんだ」と落ち込む傾向があります。しかし、重要なのは事故を教訓として活かすことです。
- 車間距離を常に十分に取る
- 信号や前方車両の動きに集中する
- 眠気や疲労を感じたらすぐに休む
といった基本の見直しが、今後の事故防止に役立ちます。
また、運転の不安が強い場合は、安全運転講習や実技指導を受けるのも有効です。多くの教習所で受講可能で、自信を取り戻すきっかけになります。
まとめ:一度の事故で終わらせず、成長のきっかけに
追突事故で人身扱いになったとしても、すべてのケースで即座に免許停止や取消となるわけではありません。冷静に状況を確認し、保険・警察への報告、相手への誠実な対応を心がけましょう。
一度のミスを責めすぎず、そこから学んで運転を見直すことが、より安全なドライバーへの第一歩です。万が一不安が大きい場合は、交通事故に強い弁護士への相談も検討してみてください。