「無料で始められる副業」「簡単に稼げる」などをうたうLINE副業に申し込み、気付けば高額な電子書籍の後払い請求が届いていた——。これは近年、SNSを中心に増加している副業詐欺の典型的なパターンです。本記事では、よくある被害例をもとに、支払うべきか否か、無視していいのか、どこに相談すべきかといった具体的な対応を紹介します。
よくあるLINE副業詐欺の流れとは?
まず、典型的な流れを知ることで状況整理がしやすくなります。
- LINEで「無料副業」などの広告を見かけ、登録してしまう
- 簡単な仕事の紹介があるが、その前提として電子書籍などの購入が求められる
- 仕事は提供されず、購入物の案内もされない
- 後日、支払い催促のメールが届く
- 「支払わなければ訴える」「自宅に請求書を送る」など不安をあおる文言
こうした一連の流れは、特定商取引法違反の可能性があります。
電子書籍の提供がないなら支払い義務なし?
日本の法律では、契約には「内容の明確な説明」と「本人の同意」が必要です。電子書籍の内容や提供方法が説明されていない・閲覧できないのであれば、対価の提供がされていないため契約自体が無効になる可能性があります。
また、初めから消費者をだます目的で作られたサイトであるならば、これは「詐欺罪」にも該当します。
「払込票が自宅に届く」は本当か?無視しても大丈夫?
実際には、自宅に何も届かないことがほとんどです。詐欺グループはメールやLINEで不安をあおり、自発的に支払わせようとする手口が中心で、物理的な郵送手段はほとんど取りません。
ただし、個人情報が漏れている点については警戒が必要です。
メールアドレスや電話番号は詐欺グループ内で流通することがあるため、迷惑メール対策・着信拒否などの設定を行っておきましょう。
無視しても大丈夫な理由とそのリスク
結論から言えば、請求メールを無視しても法的責任に発展する可能性は極めて低いです。理由は以下のとおりです:
- 法的手続きを取るには契約の証拠が必要だが、それが存在しない
- 提供物が実在せず、サービスの実態がない
- 詐欺業者が裁判所を使う例は稀で、ほとんどが「脅し」目的
ただし、あくまで「無視」が有効なのは金銭の支払いをまだしていない段階です。一度でも支払ってしまうと、カモリストとして情報が売買される恐れがあります。
対応すべき安全な相談先とその活用法
困った場合は、ひとりで悩まず公的機関に相談することが大切です。
- 国民生活センター(消費者ホットライン 188)
- 警察庁サイバー犯罪相談窓口
- 都道府県の消費生活センター
特に、個人情報の扱いや脅し文言に不安を感じる方は、相談することで安心材料が得られるでしょう。
まとめ|焦らず冷静に対応を
LINE副業詐欺は巧妙な手口で不安をあおりますが、「支払わなければ訴える」などの文言に屈しないことが重要です。電子書籍の提供が確認できず、契約内容に不備がある場合は支払い義務は発生しません。
まずは冷静になり、被害を拡大させないよう個人情報保護の対策をとるとともに、必要であれば速やかに専門機関に相談しましょう。