交通事故に遭い、相手の一時停止無視が原因で自身の過失割合が1割というケースでは、示談交渉で納得できる慰謝料を得るために、保険会社との交渉力が重要になります。特にアクサダイレクトのようなダイレクト型保険会社は独自の基準で示談額を提示するため、納得できない内容であれば冷静かつ根拠を持って交渉しましょう。
まずは基準を理解しよう:慰謝料には3つの基準がある
慰謝料の金額は、大きく分けて以下の3つの基準があります。
- 自賠責基準:最も低い金額で保険会社が提示してくることが多い
- 任意保険基準:各社独自の基準。アクサダイレクトもここ
- 裁判基準(弁護士基準):最も高い基準で、裁判所が認める金額
交渉をする際は、弁護士基準(裁判基準)を根拠に提示すると、より妥当な額で合意に至る可能性が高まります。
具体的な慰謝料相場を確認:5回程度の通院の場合
弁護士基準によると、通院1日あたり4,300円~8,900円程度が相場です。5回通院であれば、おおよそ25,000円~45,000円前後が目安になります。
これに交通費や通院に伴う精神的苦痛などを加味して交渉するのがポイントです。また、医師の診断書や通院履歴を資料として添えることで信頼性が増します。
アクサダイレクトとの交渉で意識すべきこと
アクサダイレクトは、基本的に事務的に処理する傾向が強く、低額での提示が多いと言われています。そのため、交渉には客観的な根拠と冷静な態度が求められます。
以下のような流れを意識しましょう。
- 先に提示された金額の内訳を確認
- 裁判基準の相場を根拠に希望額を提示
- 文書・メールでのやり取りを中心に記録を残す
交渉で使える書類や証拠の整え方
交渉を有利に進めるには、以下のような書類が役立ちます。
- 医師の診断書と完治報告書
- 通院日数・交通費の記録
- 事故の状況がわかる資料(警察の事故証明など)
- 慰謝料相場が掲載された弁護士会の資料や判例
書類に不備があると説得力が欠けるため、漏れのないよう事前に整えておきましょう。
弁護士特約が使えない場合でも無料相談は可能
弁護士特約が付帯していない場合でも、法テラスや交通事故専門の無料法律相談を活用することが可能です。
また、法テラスでは収入制限付きで弁護士費用の立替制度もあります。初期相談だけでも行うと、金額交渉において有利な視点が得られます。
まとめ:裁判基準と資料で主張を裏付け、自信を持って交渉しよう
保険会社からの提示額に納得がいかないときは、裁判基準を調べ、資料をそろえて根拠を明示することが重要です。感情的にならず、論理的に進めることで、保険会社も再検討に応じやすくなります。
弁護士特約が使えない場合でも、一人で戦う必要はありません。無料相談や支援制度を活用しながら、自分にとって適正な補償を目指しましょう。