日常の通勤時間は貴重なひととき。そんな中で、毎回同じ人物が空席があるにも関わらず隣に座ってくることに不快を感じる人も少なくありません。この記事では、こうした行動が法的に問題になるのか、またどのように対処すべきかを解説します。
公共交通機関における座席の自由とその限界
原則として、バスや電車などの公共交通機関では、乗客は自由に座席を選ぶ権利があります。特に指定席でない限り、どこに座るかは基本的に個人の自由です。
そのため、法的には「空いている席があるのにあえて隣に座る」という行為自体が即違法とは言えません。とはいえ、執拗に繰り返された場合には別の問題が生じる可能性があります。
迷惑行為とストーカー規制法の適用可能性
行動がエスカレートし、特定の人物を意図的に追いかけて座ることが繰り返された場合、「つきまとい」としてストーカー規制法の対象となることもあります。
例えば、バスの時間を変えても追ってきたり、明らかにあなたを狙って座ってくる場合は、下記のような兆候に注意が必要です。
- 目が合うとそらす、またはじっと見つめてくる
- 会話がなくとも毎回座ってくる
- バス以外の場所でも遭遇する頻度が高い
これらが該当する場合、記録を取って警察や会社に相談することも選択肢です。
感情的な不快感と法的な“違法性”の違い
不快に感じるという感情は極めて正当ですが、それが法律上の“違法行為”に該当するかは別問題です。たとえ気持ちが悪くても、相手が明確な迷惑行為をしていない限り、警察や運行会社に通報しても注意止まりで終わるケースもあります。
そのため、まずは行動パターンを観察し、「偶然」か「意図的」かを見極めることが重要です。
対処方法:安全と冷静さを両立する
対処としては以下のような選択肢が考えられます。
- 座席を選ぶ際に必ず2人掛け席の窓側に座らない(誰かが隣に座る余地を与えない)
- できる限り別のバス・時間帯に変える
- 記録を残しておく(日時、場所、行動内容など)
- バス会社に相談し、運転手に間接的に注意を促してもらう
また、場合によっては隣に座られた際に「できれば他の席に座っていただけますか?」と丁寧に伝えてみるのも方法です。これで改善されることもあります。
悪化する前に専門家に相談するのも一手
一見すると些細な問題でも、積み重なれば大きなストレスになりかねません。行動に不審さや執拗さがある場合は、警察庁のストーカー相談窓口などに早めに相談することで、被害を未然に防げる可能性があります。
また、職場に通勤経路の変更を相談できる環境であれば、柔軟に変更を検討することも心身の安定につながります。
まとめ:不快なだけでは法的措置は難しいが、繰り返しは要注意
公共バスで毎回同じ人物に隣に座られる行為がただちに違法になることは稀ですが、行動の繰り返しや意図が明確であれば、ストーカー行為や迷惑防止条例に抵触する可能性もあります。
冷静な観察と対処が大切ですが、不安が続くようであれば早めに専門機関に相談することをおすすめします。