自転車と自動車が路肩発進時に接触した場合の過失割合と対応のポイント

都市部などの混雑した道路では、自転車と自動車の接触事故がしばしば発生します。特に、自動車が路肩から発進しようとする場面では、後方から追い抜いてくる自転車との接触リスクが高まります。この記事では、自転車と自動車が路肩での発進時に接触した際の過失割合の考え方や注意点について、事例を交えて詳しく解説します。

基本的な過失割合の考え方

一般的に、自動車が停車位置(路肩)から発進して事故を起こした場合、基本的には「発進車の方が大きな過失を負う」とされています。これは、道路交通法第26条によって発進時の安全確認義務が厳しく課されているためです。

一方で、自転車も右側からの追い越しや並走をしていた場合、安全確認義務を怠っていたとされ、一定の過失を負うケースがあります。事故の状況によっては、自動車:自転車=80:20程度の過失割合になる可能性があります。

実際の事故例における過失割合の目安

以下は過去の判例や実務での取り扱いを参考にした過失割合の目安です。

状況 過失割合(自動車:自転車)
自動車が路肩から右ウインカーを出して発進、自転車が右側を通過しようとして接触 80:20
自転車が信号無視や歩道からの急な進入 70:30〜60:40
自転車が歩道通行可の標識がない場所で車道右側通行 90:10

重要なのは、「自動車が十分な安全確認をしていたか」「自転車に無理な進行がなかったか」という点です。

自動車側が注意すべき安全確認ポイント

自動車が路肩から発進する際には、以下のような安全確認が求められます。

  • 右後方からの車両・自転車・バイクの接近確認
  • ルームミラーおよびサイドミラーの死角確認
  • 発進前のウインカー点灯(3秒以上が望ましい)

これらの基本動作を怠っていたと判断されると、重大な過失として扱われます。

自転車側の注意点と義務

自転車にも道路交通法上の義務があり、以下のような点に注意が必要です。

  • 自動車の右側通行の原則的な禁止
  • 追い越し時の安全確認義務
  • 夜間走行時のライト点灯義務

自転車が信号無視や並走などをしていた場合、その行為も過失割合に影響します。

事故後の対応と保険の活用

事故が発生した場合には、まず警察への通報を行い、事故証明を取得することが重要です。また、自転車側に自転車保険(TSマークや個人賠償責任保険など)があれば、保険会社に早急に連絡し対応を相談しましょう。

自動車側は、ドライブレコーダー映像の保存や現場写真の撮影も有力な証拠になります。

まとめ:双方に過失が認定されるケースも、証拠と記録が鍵

自転車と自動車の接触事故では、自動車が発進時の安全確認を怠った場合、過失の大部分を負うことになります。ただし、自転車にも一定の走行義務や注意義務があり、状況次第では過失割合が修正されることがあります。

事故の瞬間を示す記録(ドライブレコーダー・証言・写真)が過失割合の鍵を握るため、事故後は冷静な対応と十分な記録が必要です。

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