交通事故において、助手席などの同乗者が事故直後は無症状でも、数日経ってから体に痛みを感じることは珍しくありません。このようなケースで病院に行くべきか、保険の適用はどうなるのかといった不安に応えるため、本記事では同乗者が被害者となった場合の流れと保険対応についてわかりやすく解説します。
同乗者でも事故による通院は正当な行為
事故直後に症状がなかったとしても、数日後に痛みが現れる「遅発性の症状」は多くの事例で報告されています。特にむち打ち症や打撲による筋肉痛は、数日遅れて発症するケースがあります。
そのため、痛みを感じた時点で病院に行くことはまったく正当な行動です。できる限り早く受診し、事故との関連を医師に説明することで、診断書や治療記録が適切に作成されます。
保険の適用:同乗者は被害者として補償される
交通事故において、同乗者は基本的に「第三者の被害者」とみなされるため、加害者側の自賠責保険および任意保険から補償を受けることができます。
加害者が運転する車の所有者であっても、被害者が別人(=同乗者)の場合、補償対象となるのが原則です。
具体的な補償内容:通院費・慰謝料など
保険会社から受け取れる補償には以下のようなものがあります。
- 治療費(病院代・薬代など)
- 通院慰謝料(通院日数や期間に応じて算定)
- 交通費(通院のための電車代やガソリン代など)
- 休業補償(働けなくなった場合)
特に慰謝料は、1日あたり4,300円程度(自賠責基準)で、通院実日数×2または通院期間×1の少ない方が採用されます。
保険金の請求は誰が行う?
同乗者が自身の意思で加害者側の保険会社に直接請求することができます。加害者が事故の責任を負っていることが前提となるため、加害者が運転していた車の保険に連絡するのが基本です。
また、保険会社がすでに事故受付を済ませている場合は、請求先の担当者名・連絡先などを加害者から教えてもらうとスムーズに進みます。
注意点:事故との因果関係の証明がカギ
通院が事故から数日後であっても、診断書や医師の所見に「事故との関連性」が明記されていれば、保険金は問題なく支払われる可能性が高まります。
受診時には必ず「○月○日の交通事故による受診」と明言するようにしましょう。
まとめ:痛みが出たら早めの行動を
事故後に遅れて痛みが出た場合でも、同乗者は正当な被害者として保険金の請求が可能です。自己判断で我慢せず、早期に病院を受診し、必要な補償を受けるための記録を整えておきましょう。
疑問がある場合は、交通事故専門の法律相談や法テラスなどの無料窓口も活用してみてください。