交通事故に遭った際、愛車が古くなっていると「修理すべきか、いっそ買い替えるべきか」と悩む方は少なくありません。特に過失が10対0の物損事故で相手に全責任がある場合でも、自己負担の有無や車の状態によって対応は大きく変わってきます。本記事では、修理と買い替えのどちらを選ぶべきかの判断ポイントを具体例とともに解説します。
事故車両が古い場合、修理の妥当性は?
年式が10年以上の車は、修理費と車の市場価値が釣り合わないことがあります。たとえば12年落ちのセレナの場合、車両評価額は数万円〜十数万円程度であることが多く、事故の修理費が25〜30万円と高額なら「修理の元が取れない」と判断されることもあります。
保険会社が支払う「時価額」が修理費より少なければ、実費負担が発生するケースもあるため要注意です。
修理を選ぶべきケースとは
・走行距離がまだ少ない
・日常使用がメインで遠出が少ない
・感情的な愛着が強い
こうした場合は、多少の修理費をかけてでも乗り続ける選択肢があります。特に事故の損傷が限定的(たとえば外装だけ)であれば、走行性能に影響がない場合も多くあります。
買い替えを選ぶべきケースとは
・車検が間近
・エンジンやミッションの調子が悪い
・燃費が悪く維持費がかさむ
こうした車両は、今後の修理や維持にさらに費用がかかるリスクが高いため、事故をきっかけに買い替えることが合理的です。
買い替え時の事故車の扱いは?
事故歴がついた車は下取り価格が大幅に下がるか、ゼロ査定になることもありますが、「事故車買取専門店」を利用することで値段がつく場合もあります。また、相手方の保険から支払われる修理費相当分を「代替費用」として現金受取し、買い替えの資金に充てる方法もあります。
この場合は「修理はせずに現金受取だけ希望」と保険会社に伝えれば対応可能です。
実例:12年落ちのセレナの判断材料
たとえば、車検まで残り3か月、走行距離12万km、エンジンの吹けが悪い場合、修理をしても次回車検時にさらに費用がかかる可能性が高いため、買い替えを検討するユーザーが多い傾向にあります。
一方、走行距離が6万kmでエンジン好調であれば、修理してあと2〜3年乗る判断も合理的です。
まとめ:修理と買い替え、冷静にコスパと将来を比較
事故に遭った場合、「今後の維持コスト」と「今の修理費」を比較して合理的な判断を行いましょう。車検・走行距離・車の状態を総合的に見て、信頼できる整備工場や販売店と相談するのがベストです。
修理費用が高く、車検や機械系トラブルが重なる場合は、事故をきっかけに乗り換えるのも前向きな選択といえるでしょう。