相続でまとまった現金や株式を得た場合、多くの方が「どう運用すれば良いのか分からない」と不安に感じます。特に投資や金融に馴染みのない方にとっては、銀行に任せるのが無難に思えるかもしれません。この記事では、そうした方でも失敗せずに管理・運用できる方法を具体的に解説します。
現金や株式を相続した後、まずすべきこと
相続財産を受け取ったら、まずやるべきは「整理」と「把握」です。口座残高や株式の銘柄、評価額、取引証券会社などを一度すべて確認しましょう。
不動産などは司法書士が対応してくれることが多いですが、金融資産は専門知識がないと放置されがちです。まずは金融機関や証券会社から送られてくる書類を整理し、わからないものはメモを付けておくと良いです。
銀行に運用を任せるのは安全か?
銀行に「完全に任せる」のは慎重に。銀行は安心感がありますが、運用商品によっては高い手数料がかかることもあります。
たとえば「投資信託」や「仕組債」は銀行の窓口で勧められることが多く、長期的に見て元本割れリスクもあります。特に「元本保証ではない」という点を見逃さないようにしましょう。
証券会社の活用方法と相談の進め方
すでに株式を相続している場合、その株がどの証券会社に預けられているかを確認しましょう。多くの場合、証券会社の担当者と面談して今後の運用方針を相談できます。
ポイントは「提案される商品が自分に合っているか」です。分からないときは、一度に契約せず「資料を持ち帰る」ことをおすすめします。冷静に家で検討する時間を確保しましょう。
資産運用に自信がない人向けの3つの選択肢
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① 銀行預金・定期預金:元本保証でリスクなし。ただし、金利は非常に低いため増えません。
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② ロボアドバイザー:WealthNaviやTHEOなどが代表例。資産配分を自動で行ってくれる初心者向けサービスです。
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③ 独立系FP(ファイナンシャルプランナー)に相談:金融機関に属さない中立的な立場からアドバイスを受けられます。
実例:60代女性が相続後に取った行動
60代女性が、亡き夫の株式と現金計3,000万円を相続しました。証券会社で「成長株ファンド」を勧められましたが、本人はリスクを懸念。
結果的に、資産の70%を定期預金にし、残り30%はロボアドバイザーで少額投資。安全性と運用のバランスを取ることができ、心理的にも安心できたといいます。
税務の確認も忘れずに
現金や株式を相続した場合でも、相続税がかかることがあります。課税対象かどうかを税理士に確認することで、後から追徴されるリスクを防げます。
特に配偶者控除や基礎控除を使ったうえでも課税が発生しそうなケースでは、無料相談などを活用して税理士に相談するのがおすすめです。
まとめ:相続後は「理解」と「慎重な選択」がカギ
相続後の資産運用においては、「無頓着だから任せる」のではなく、「無理なく理解できる範囲で管理する」ことが重要です。銀行や証券会社の提案は、あくまで選択肢のひとつとして慎重に検討しましょう。
必要に応じて専門家の力を借りることも有効です。わからないことを「わからない」と言える勇気が、将来の安心につながります。