近年、SNSの普及とともに「裏垢女子」や「DM勧誘」などに関するトラブルが増加しています。とくに未成年かもしれない相手から動画購入などを促されるケースでは、やり取りの内容によっては法的リスクも発生するため注意が必要です。本記事では、そうしたケースで開示請求が本当に通るのか、どのような行動が問題になるのか、冷静に対処するための知識を解説します。
SNSでの“いいね”や既読行動に違法性はあるのか?
多くのSNSユーザーは、内容を深く確認せず“既読感覚”で「いいね」をすることがあります。原則として「いいね」自体は違法行為ではなく、刑事責任や民事責任が発生することはありません。
ただし、極端にわいせつな内容や未成年の性的コンテンツに関与する場合、その「いいね」が問題視される可能性は否定できません。特にその後のDMの内容次第では、関与と見なされるリスクが高まります。
“動画を買って”というDMのやり取りは違法なのか
相手が自称「裏垢女子」で、「動画を買って」と持ちかけてきた場合、売買に応じた場合には購入側にも罪が問われる可能性があります。特に相手が未成年であった場合、児童ポルノ法違反や都道府県の青少年健全育成条例違反が成立する恐れも。
今回のように、購入を拒否した時点で取引は成立していないため、違法性が問われる可能性は極めて低いです。しかし、やり取りの内容やスクリーンショットの扱い方によっては、名誉毀損やプライバシーの侵害で反論されることもあるため注意が必要です。
“開示請求する”と脅された場合の対処法
相手から「開示請求をする」と脅されると不安になるのも無理はありませんが、開示請求(発信者情報開示請求)が成立するには、裁判所を通じた正当な手続きと、明確な違法行為の証拠が必要です。
単なる「いいね」や取引未成立のやり取りだけで裁判所が情報開示を命じるケースは稀であり、法的根拠がないままの脅し文句である可能性が高いです。過剰に反応せず、スクリーンショットを保存して冷静に対応しましょう。
実際の被害例と、法的な判断基準
過去には、SNSを使って違法なわいせつ動画を販売した個人が摘発され、購入者にも事情聴取が行われた例があります。ただし、その多くは購入が確認されたケースであり、閲覧のみ・やり取りのみの段階では処罰された事例は非常に限定的です。
一方で、相手が詐欺師や恐喝目的の偽アカウントである場合もあるため、「開示請求」と言われた瞬間に金銭を送ったり、過剰な情報を相手に伝えるのは厳禁です。
困ったときに頼れる相談窓口
相手の意図や自分の対応が正しかったのか不安になった場合、警察のサイバー犯罪相談窓口や、警視庁「総合相談センター」などで無料相談が可能です。
また、弁護士ドットコムなどの法律相談サービスでは、SNSトラブルに詳しい弁護士から具体的なアドバイスを得ることができます。何も違法行為をしていないのであれば、恐れる必要はありません。
まとめ:冷静に対応し、安易に情報提供や金銭送付はしない
今回のようなケースでは、まず「購入していない」「違法性がない」行動であったことを認識し、脅迫的なDMには冷静に対処することが重要です。自分の発言や行動を保存し、必要があれば専門家へ相談しましょう。
“開示請求”の言葉に過剰反応せず、法律的に問題がある行為かどうかを客観的に判断する視点が、SNS時代を安全に生きる鍵です。