「この口コミ読んだら行かない方がいい」は営業妨害になる?口コミと法律の境界線を解説

インターネット上での口コミが、時には企業や店舗に大きな影響を及ぼす時代です。特にネガティブな書き込みが集客や売上に直結することもあるため、「この口コミって営業妨害じゃないの?」と感じる方も少なくありません。今回は「この口コミ読んだら即お店行くの止めて別のお店に」といった表現が法律上どう扱われるかを解説します。

口コミと営業妨害の関係:どこからが違法になるのか?

日本の民法や不法行為法において、営業妨害に該当するかどうかは主に次のような観点から判断されます。

  • 虚偽の事実を書いているか
  • 名誉や信用を毀損する内容か
  • 故意や悪意が認められるか

例えば「店員に暴言を吐かれた」など事実に基づいていれば、消費者の正当な感想として保護される可能性が高くなります。一方で、明らかな嘘営業を妨害する意図が明白な内容は、営業妨害または名誉毀損で違法とされるリスクがあります。

「この店に行かない方がいい」と書くのはセーフかアウトか?

一見ネガティブな「行かない方がいい」といった意見表明でも、個人の感想として伝えている限り、法律上は表現の自由の範囲内と判断されることが多いです。例えば、以下のような表現は比較的セーフです。

  • 「私には合わなかったので、リピートはしません」
  • 「サービスが遅くて不快でした」

しかし、以下のような表現はリスクが高まります。

  • 「あんな店潰れればいい」
  • 「他人も絶対に行くべきではない」
  • 「この口コミ読んだら即やめろ」

特に第三者に行動を促す強い命令調は、営業妨害とみなされる可能性があります。

口コミが名誉毀損・信用毀損に該当するケースとは?

民法709条(不法行為)では、相手の名誉や信用を害する発言が損害を与えた場合、損害賠償責任が発生します。刑法でも、名誉毀損罪(第230条)や信用毀損罪(第233条)が定められています。

例えば「この店は詐欺まがいだ」「食中毒になった(←事実無根)」など、根拠がない悪質な内容であれば、店舗側が法的手続きを取ることもあります。

実際に訴えられた事例とその結果

過去には、飲食店に対して「不衛生」「二度と行かない」といった書き込みが信用毀損として訴訟に発展したケースもあります。裁判では、投稿内容の真実性、投稿の文脈、読者の受け止め方が重視され、賠償命令が出された例も存在します。

特にGoogleマップや食べログなど影響力の大きい媒体への投稿には慎重さが求められます。

トラブルを避ける口コミの書き方

トラブルを避けるためには、以下のポイントを守ることが重要です。

  • 体験した事実に基づいて書く
  • 他人に強制せず、自分の意見として書く
  • 感情的な表現を避ける

たとえば「●●店のサービスが私には合いませんでした。他の方の参考になればと思い投稿します。」といった表現なら、受け手に判断を委ねているため、訴訟リスクも低くなります。

まとめ:口コミは自由と責任のバランスで成り立つ

「この口コミ読んだら即お店行くの止めて別のお店に」という表現は、文脈によっては営業妨害・信用毀損と判断される可能性もあります。自分の体験を共有することは重要ですが、法的リスクを避けるためには慎重な表現が求められます。

インターネット上の発言には、自由と同時に責任も伴うことを忘れないようにしましょう。

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