暴力事件の加害者が他県へ逃走した場合の逮捕の可否と捜査の実態について解説

刑事事件が発生した際、加害者が別の地域へ逃げた場合に警察がどのように対応するのかについては、多くの方が不安や疑問を抱くポイントです。たとえば大阪で暴力事件が起き、加害者が東京へ移動した場合、そのまま捕まらないのかという問いは、法的な観点から見ると重要な問題です。本記事では、刑事事件と逃走行為の関係、管轄警察の連携、逮捕に至る流れなどをわかりやすく解説します。

犯罪が発生した場所が「事件の管轄」になる

刑事事件は、基本的に「事件が発生した場所」を起点として捜査が行われます。たとえば大阪で暴力事件があれば、大阪府警が最初に捜査を開始します。

しかし、加害者が大阪から東京に逃げたとしても、その逃走先に関係なく捜査は続きます。犯罪は都道府県を超えても時効が来ない限り追及されるため、物理的な移動で逃れられるわけではありません。

警察の広域捜査体制と連携

日本の警察は、全国の警察組織が連携する「広域捜査体制」を構築しています。大阪府警が捜査している事件であっても、東京に加害者が移動すれば東京の警視庁とも情報を共有し、共同で捜査が行われる仕組みです。

また、全国指名手配や逮捕状が発行された場合には、どの地域にいても警察が任意同行や逮捕を行うことができます。

逮捕状と全国手配の仕組み

暴力事件のような現行犯ではない場合、逮捕には原則として裁判所が発行する「逮捕状」が必要です。加害者が特定された後、逃走したとなれば、検察官の請求に基づき裁判所が逮捕状を出します

その後、警察庁のデータベースを通じて全国手配され、どの県の警察もその人物を逮捕できる状態となります。

逃走しても刑事責任は免れない

逃走そのものは罪ではないものの、逃げたことにより心証が悪化し、刑が重くなる可能性があります。裁判で「反省がない」と判断される材料となり、執行猶予の取り消しや重罰化の原因にもなり得ます。

そのため、逃げても結局は逮捕・起訴される可能性が高く、逃走は不利になることが多いのが現実です。

実例:地方での暴行事件の加害者が数日後に別地域で逮捕

過去には、地方都市での傷害事件を起こし、大都市へ移動していた加害者が、駅やネットカフェで警察に発見され逮捕された事例が多数あります。顔写真や特徴が指名手配により拡散されることもあり、長期間逃げ続けるのは現実的に困難です。

また、警察は通信履歴や監視カメラの情報を活用し、居場所の特定に高度な技術を活用しています。

まとめ:都道府県を越えても加害者は追跡される

結論として、暴力事件の加害者が別の都道府県へ逃げても逮捕を免れることはありません。むしろ逃走によって捜査の規模が広がり、厳しい処遇を受けることにもなりかねません。

警察の捜査網は全国に張り巡らされており、確実に加害者を追跡できる体制が整っています。犯罪の責任からは逃れられないという現実を正しく理解しておくことが大切です。

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