空き巣被害に遭った際、被害者が精神的にも動揺している中で、被害額を誤って伝えてしまうことは起こり得ます。しかし、実際の被害額よりも明らかに大きな金額を意図的に申告すると、思わぬ法的トラブルに巻き込まれることがあります。この記事では、空き巣被害時に虚偽の被害額を申告した場合のリスクと対応策を解説します。
被害額の虚偽申告はなぜ問題になるのか
刑事事件においては、警察や検察、裁判所が被害届や被害者供述をもとに捜査・判断を進めます。実際の被害額より大きな金額を意図的に申告した場合、それは「虚偽申告」と見なされる可能性があります。
このような行為は、偽計業務妨害罪や詐欺未遂罪などに問われることもあり、単に「嘘をついた」では済まされません。
保険請求を行った場合はさらに注意
盗難保険などの適用を受けようとして、虚偽の被害額を記載して請求した場合、保険金詐欺として扱われるおそれがあります。これは詐欺罪(刑法第246条)に該当し、10年以下の懲役という重い刑罰が科される可能性もあります。
たとえ保険金がまだ支払われていなくても、虚偽の請求をした時点で詐欺未遂として処罰対象となり得ます。
虚偽申告が発覚する可能性
警察は証言の整合性を確認するために、さまざまな角度から事情聴取や証拠収集を行います。申告した被害額に見合う証拠(レシート、購入履歴、防犯カメラ映像など)が確認できなければ、申告内容が疑問視される可能性が高まります。
特に、あまりに不自然な金額や、証明しようのない「現金被害」を申告した場合には、調査が入ることもあります。
実例:過大な被害申告が招いた事例
過去には、実際には数千円の被害であったにも関わらず、100万円の被害を申告して、のちに警察の取り調べで虚偽が発覚し、事情聴取・書類送検された例も報告されています。
このような事例では、被害者自身が二次被害を被る形となり、家族や職場にも影響が及ぶケースがありました。
正確な被害額を伝えるためのポイント
- 被害物品のリストを作成し、相場や購入価格を明記
- 購入履歴や保証書、写真など証拠となる資料を整理
- 不確かな記憶による金額は避け、「おおよそ◯円前後」とする表現を使う
警察や保険会社は「完全な証明」を求めることはありませんが、整合性の取れた説明をすることが信頼性を高めます。
まとめ:過大申告はリスクしかない
空き巣被害の申告において、実際より大きな金額を伝えることは、法的にも倫理的にも重大なリスクを伴います。虚偽の申告は信頼を損ね、自らが処罰の対象になる可能性すらあります。正確かつ冷静な対応を心がけ、必要に応じて弁護士や消費生活センターに相談することが望ましいでしょう。