夜間の横断歩道で車と接触したときの正しい対応と警察への通報判断

夜間の横断歩道で車と接触したものの、加害者の車は走り去り、自身も怪我はなく恐怖だけが残った――そんな状況に直面したとき、警察に連絡すべきか、どのような対応が望ましいか迷う人は少なくありません。この記事では、歩行者と車の軽微な接触事故が起きたときの正しい対応について解説します。

横断歩道での歩行者優先の原則

道路交通法では、歩行者は横断歩道で明確に優先される存在とされています。たとえ車が右折などの進行中であっても、歩行者が横断している場合は停止義務があるため、接触事故が発生した場合は基本的に運転手に過失があると見なされます。

夜間であってもこの原則は変わりません。たとえ歩行者の服装が目立ちにくいものであっても、運転者には周囲の安全確認の義務があります。

歩行者側にも問われる注意義務とは

一方で、歩行者にも一定の注意義務があります。特に近年問題視されているのが「歩きスマホ」です。スマートフォンを見ながらの横断は周囲への注意が散漫になり、自身の安全を脅かす行為とされます。

今回のように、夜間で黒い服を着てスマホを操作しながら横断していた場合、仮に事故に発展すれば過失割合の一部が歩行者に割り当てられる可能性があります。

加害車両が立ち去った場合の扱い

たとえ怪我がなく、軽微な接触であったとしても、加害者がその場を立ち去った場合は「ひき逃げ(道路交通法違反)」に該当する可能性があります。被害者側がその場から離れてしまった場合でも、通報が遅れても構いませんので、なるべく早く警察に報告することが望ましいです。

目撃者がいたり、防犯カメラが周囲に設置されていれば、車両の特定につながる可能性もあります。

警察に通報するべき状況とは?

以下のいずれかに当てはまる場合は、必ず警察に通報しましょう。

  • 相手の車両が立ち去った(当て逃げ・ひき逃げの可能性)
  • 少しでも接触があった
  • 恐怖・ショックを感じた(精神的被害)
  • 車のナンバーや特徴が一部でも記憶にある

通報の際には「大きな事故ではないが、接触があった」と伝えるだけで対応してもらえます。

怪我がなくても医療機関の受診を

事故直後はアドレナリンの影響で痛みを感じない場合もあります。たとえ接触が軽微でも、念のため整形外科などを受診し、診断書をもらっておくことをおすすめします。後から症状が出た場合の補償請求の根拠になります。

また、精神的ショックを感じている場合は、心療内科やカウンセリングの受診も検討しましょう。これも立派な「事故による被害」として扱われます。

今後のためにできる自己防衛策

夜間の歩行時には反射材付きの服やバッグを使用し、自分の存在をアピールすることが安全確保に役立ちます。また、横断中はスマホを操作せず、しっかりと左右を確認するなどの基本的な安全行動が重要です。

アクションカメラやスマートウォッチの録画機能などを使って、自分の行動を記録しておくのも、万一のときの証拠になります。

まとめ:軽微な接触でも警察への通報は無駄ではない

夜間に横断歩道で車と接触した場合、たとえ怪我がなかったとしても、その場を立ち去った運転手には法的責任が生じる可能性があります。自己判断で終わらせず、警察に通報して事実を記録してもらうことが、自身の安全と正当な権利を守ることにつながります。

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