交通事故に遭い、被害者として示談金の提示を受けたとき、その金額が「妥当かどうか」は非常に気になるポイントです。特に、通院日数が少ない場合や初めての事故では、正しい判断が難しいものです。本記事では、通院9日間でむち打ちと診断された場合の慰謝料や休業損害の相場感、示談金の構成について解説します。
■慰謝料の計算方法と妥当な金額
交通事故によるむち打ちの慰謝料は、通院日数×2または実通院期間の日数の少ない方に4,300円(任意保険基準)がかけられます。これは保険会社の算定方式であり、弁護士基準より低めです。
たとえば通院9日間の場合、「9日×2=18日」となり、慰謝料は4,300円×18日=77,400円となります。これは加害者側の保険会社がよく提示する金額で、任意保険基準としては妥当とされる範囲です。
■休業損害の計算例と注意点
休業損害とは、交通事故の影響で仕事を休んだことで得られなかった収入の補償です。保険会社は日額(例えば平均1日5,000〜7,000円)を基に算出します。自営業やパートの場合は証明書類の有無により金額が変わることもあります。
今回提示された「1万円ちょい」は、2日程度の休業補償としてはごく標準的な範囲で、通院頻度や職種によってはやや低く感じる場合もあります。
■通院9日のケースでの総額例
以下は通院日数9日のむち打ちに対して提示されることの多い金額構成の一例です。
項目 | 金額(目安) |
---|---|
慰謝料 | 77,400円 |
休業損害 | 10,000〜15,000円 |
治療費 | 別途実費 |
総額9万〜10万円程度で提示されることが一般的です。
■任意保険未加入時のリスクと交渉のポイント
被害者が任意保険に加入していない場合、自分側で弁護士費用特約などの利用ができず、示談交渉が不利になりやすいです。ただし、内容に納得がいかない場合は、交通事故紛争処理センターや日弁連の相談窓口などを活用すると中立的なアドバイスを受けられます。
また、金額が相場より大きく乖離している場合は弁護士基準での交渉を検討するのも有効です。
■実際の相談事例と比較
実際に「通院8日で8万円」「通院12日で12万円」といった事例も報告されており、慰謝料は日数に応じてほぼ線形に増加します。ただし、休業損害は就業形態や証明書類の提出有無で左右されやすく注意が必要です。
■まとめ:妥当な金額かどうかを判断するには
今回提示された9万円台の示談金は、任意保険基準で見ると一定の妥当性があります。ただし、慰謝料を最大化したい場合は「弁護士基準」で再検討する余地もあります。
保険会社の言いなりにならず、わからない部分は第三者機関や専門家に相談してから判断しましょう。少しの確認が、損失を防ぐ大きな鍵になります。