訪問販売による新聞購読の契約をしたものの、冷静に考えてやはり解約したいと思う方は少なくありません。契約後でも一定の条件を満たせば「クーリングオフ制度」によって契約解除が可能です。この記事では、契約時に景品(洗剤など)を受け取っていた場合の対応も含め、具体的な手続きと注意点を解説します。
クーリングオフ制度とは何か
クーリングオフ制度とは、訪問販売や電話勧誘販売など、一定の取引形態において契約後に一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。新聞購読契約の場合は、契約書面を受け取った日を含めて8日以内であれば、理由を問わず解除が可能です。
この制度は消費者保護の観点から設けられており、「勧誘に押されて契約してしまった」ような場合に特に有効です。
新聞の訪問販売でよくあるケース
新聞の訪問販売では、契約時に洗剤やティッシュなどの日用品を無料で提供されることが多くあります。これは契約成立を後押しする「景品類」として提供されるもので、消費者が受け取った後でも契約自体のクーリングオフは可能です。
ただし、この景品類については、返還が求められるケースと求められないケースがあるため、状況に応じた対応が重要です。
景品(洗剤など)は返すべきか?
原則として、クーリングオフを行う際に景品類の返却は義務ではありません。消費者契約法および特定商取引法では、クーリングオフの際に受け取った物品の返還義務を消費者に課していません。ただし、未使用の状態で相手側が返還を求める場合、丁寧に応じることが望ましいとされています。
返すかどうかは法的義務というよりも、モラルや販売員とのトラブルを避けるための配慮とも言えるでしょう。
クーリングオフの正しい方法
クーリングオフを行うには、以下のような内容を記載した書面(またははがき)を販売業者に送付します。
- 契約解除の意思表示(「契約を解除します」など)
- 契約した日付
- 契約した新聞社名と担当者名
- 自分の名前、住所、連絡先
送付する際には、特定記録郵便や簡易書留など記録が残る方法を推奨します。これは、後で「通知が届いていない」と主張されるのを防ぐためです。
洗剤などを返す際の対応例
どうしても気になる場合や、販売員から返却を求められた場合には、丁寧に洗剤などを元払いで返送するのが無難です。ただし、返品を求められていない限りは返送義務はありません。未使用であれば再利用される可能性もありますが、使用済みのものは返却不要と考えられます。
たとえば、「洗剤は未開封ですので同封のうえ契約解除書面を送付しました」といった対応が一例です。
販売員とのトラブルを避けるためのコツ
クーリングオフは法的に認められた権利ですが、販売員と揉めることは避けたいものです。相手の対応が強引だった場合には、消費生活センターや国民生活センターなどに相談しましょう。
また、会話は記録に残るように録音するなどの対策も有効です。消費者側の冷静かつ毅然とした対応がトラブル防止につながります。
まとめ:安心してクーリングオフを活用するために
新聞の訪問販売で受け取った洗剤などがあっても、契約をクーリングオフすることは可能です。原則として返却義務はありませんが、相手の要望に応じて対応する姿勢を持つことでトラブルを避けることができます。
法律上の正当な権利として、期限内であれば遠慮せずにクーリングオフを行うことが大切です。安心して生活するためにも、自分の権利と義務を正しく理解して行動しましょう。