交通事故被害とPTSD:後遺症が認定されないときに取るべき対応と支援策

交通事故による外傷は治癒しても、身体的な痛みや精神的なダメージが残ることがあります。特に長期的な痛みや通院負担、仕事への影響が続く場合、単なるケガの回復だけでは済まされません。この記事では、後遺症認定されないケースにどう対応すべきか、PTSDや精神的苦痛が認められる条件、そして被害者が取れる実践的なアクションを詳しく解説します。

後遺障害が認定されないケースとその理由

後遺障害等級の認定は、医学的な証拠と自覚症状の一致が重視されます。レントゲンやMRIなどで明確な異常が確認できない場合、「症状が残っている」と主張しても等級認定は難しくなる傾向があります。

しかし、可視化されにくい痛みや不定愁訴がある場合でも、適切な診断と記録を積み重ねることで、認定の可能性を高めることができます。

PTSDや精神的後遺症は認められるのか

交通事故が原因で発生したPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、正式な後遺障害として認められる場合があります。日本損害保険協会の基準では、精神障害も「非器質性精神障害等」として等級認定対象となります。

認定には精神科医の診断書が必須であり、通院歴・服薬歴・症状の継続などが証拠として求められます。診断名が「うつ病」や「適応障害」でも、事故との因果関係が明確であれば後遺障害として認定される可能性は十分あります。

被害者が取るべき具体的なステップ

  • 心療内科または精神科を受診し、継続的な治療と診断書を取得する
  • 事故によるストレスや生活の変化を記録(日記や医療領収書など)
  • 弁護士への相談(特に交通事故に強い法律事務所を選ぶ)
  • 自賠責保険への後遺障害申請(被害者請求も可能)

特に「被害者請求」は、保険会社を通さずに自賠責保険に直接請求できる制度で、保険会社が消極的な対応をしている場合でも有効な手段です。

同乗者としての被害者の権利

車の運転手でなくても、同乗者は独立した被害者として補償の対象となります。たとえ相手方の保険会社が「後遺症とは認めない」としても、医学的に因果関係を示せば反論可能です。

同乗者は自分の意志とは関係なく事故に巻き込まれることが多いため、損害賠償交渉においても一定の配慮が求められます。

保険会社の対応に不満があるときの対処

保険会社の対応に不信感を抱いた場合は、損害保険相談室や、日本弁護士連合会の法律相談センターなどを活用するのも有効です。

示談や診断書提出を急がず、精神面の診断を含めてきちんと準備を整えた上で動くことが重要です。

まとめ:精神的苦痛も「見える化」で認定可能に

事故後の長期的な痛みや不安は、被害者にとって非常につらいものです。身体的な外傷だけでなく、心のケアも含めた対応を考えることが大切です。

精神的後遺症も正式に認められることがありますので、精神科での診察・記録・診断書を積極的に取り入れ、法的に備えていくことが、ご本人の救済にもつながります。

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