公共トイレで唾や痰を流せなかった場合に違法になる?軽犯罪法との関係を解説

駅などの公共施設で痰や唾を洗面所に吐くことは、一部の人にとって日常的な行動かもしれません。しかし、もし水が出ない状況でそのまま放置された場合、それが法律上の問題になる可能性はあるのでしょうか?本記事では、軽犯罪法やマナーの観点からこの問題を丁寧に整理します。

■駅の洗面所に痰を吐く行為は違法?

通常、洗面所に唾や痰を吐く行為そのものは法律違反とは言えません。「洗面所での利用目的」に準じた行為であるため、社会通念上許容されている範囲内です。

ただし、それが不衛生な状態で放置された場合や、故意に他人の迷惑を招くような態度であれば、別の法的評価がなされる可能性があります。

■水が出ず流せなかった場合の責任

洗面所の水が出ない、あるいは故障していたことにより痰を流せなかった場合、「意図的に汚した」とは見なされにくいのが一般的です。

しかし、そのまま放置したことが悪質と判断される場合、軽犯罪法第1条26号「公共の場所を著しく汚した者」に該当する可能性もゼロではありません。

■軽犯罪法とは?該当する行為の具体例

軽犯罪法第1条26号では、「公共の場所で著しく汚らしい行為をし、または公共の場所等を著しく汚した者」は拘留または科料に処せられるとされています。

例としては。

  • 駅のホームに唾を吐いてそのまま放置
  • 公園や通りで痰を吐いて掃除せず放置
  • 駅構内の洗面所に排泄物やゴミを詰める行為

つまり、「場所」「意図」「状況の悪質性」が判断基準になります。

■実際の摘発例や注意指導の傾向

このような事例での摘発は非常に稀であり、警察はまず注意や指導で済ませるケースがほとんどです。

ただし、防犯カメラや目撃証言で悪質な放置が記録されていたり、クレームが入った場合には「公共施設の迷惑行為」として通報・指導対象となることもあります。

■マナーとリスクを意識した行動を

水が出ない状況でも、・そのまま放置せず店員や駅員に報告する
・ハンカチやティッシュで応急処置をする
などの対応を取ることで、後々のトラブルを避けられます。

法律上の責任を問われる前に、まずは「他人の目線」「施設の衛生」を意識した行動を心がけることが大切です。

■まとめ:痰や唾を流せなかっただけで違法にはならないが…

  • 洗面所で唾や痰を吐くこと自体は違法ではない
  • 水が出ない場合、悪質性がなければ罪に問われる可能性は低い
  • ただし、放置が社会的マナーに反する行為と見なされる恐れはある
  • 軽犯罪法が適用されるのは「著しく汚した」と判断された場合

駅や公共施設を利用する際は、法律だけでなく社会的マナーの視点からも冷静に行動することが、結果的に自分を守ることにつながります。

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