定期的に通っていたクリニックや耳鼻科が、ある日突然「閉業」となっていたら――支払った費用や受けた検査の結果はどうなるのか、不安になりますよね。特にアレルギー検査などは料金も高く、結果確認が治療方針に直結するため、無駄にはしたくないものです。この記事では、医療機関の閉業に直面した際の対応策と、必要な行動手順を詳しく解説します。
閉業した医療機関に検査結果が残っている可能性
医療機関は、閉業時にも法律に基づいて一定期間カルテなどの医療記録を保管する義務があります。医師法第24条では、診療記録は5年間の保存義務が課せられており、その間に結果を取り寄せることは可能な場合があります。
特にアレルギー検査などの外部検査機関に依頼された検査結果は、委託先に保存されているケースもあります。まずは閉業が本当に恒久的なものか、一時休業なのかを見極めることが第一です。
確認すべき情報と問い合わせ先
以下の情報を優先して確認し、アクションを起こしましょう。
- 閉院の張り紙やWebサイトの告知：電話番号や対応窓口が記載されていないか確認
- 地域の医師会や保健所：閉院した医師が他の病院で勤務している可能性や、カルテの保管先を知っている場合も
- 検査を外注していた検査機関：検査機関がどこか判明すれば、結果が残っている可能性あり
また、病院が法人として登記されていた場合は、国税庁の法人番号公表サイトで閉鎖・廃業の有無を確認することもできます。
払い損にならないための対策と救済策
検査費用を支払って結果を受け取れていない場合、「医療契約不履行」に該当する可能性があります。返金やデータ開示の請求は民法上の権利として認められる余地があります。
そのための行動例。
- 病院が残した連絡先に返金・結果開示を依頼
- 保健所または都道府県の医療相談窓口に問い合わせ
- 医師会を通じて連絡先や転職先情報を調査
- 消費生活センター（188）へ相談
また、医療に関する苦情・相談は都道府県ごとに用意されている「患者相談窓口」が対応してくれることもあります。
同様のケースの体験談と教訓
ケース1：皮膚科でアレルギー検査を受けたが、閉院後に検査結果を取り逃した事例。
→ 患者は地域の医師会に相談し、閉院した医師が別の医院に勤務していることを知り、そこで結果を確認できた。
ケース2：小児科で血液検査をしたが閉院。結果が届かず困惑。
→ 保健所を通じて検査委託先を調べ、検査機関から直接結果を取り寄せられた。
新たなかかりつけ医を探す際のポイント
今後の医療トラブルに備えるためには、以下のような点を意識して医療機関を選ぶことが大切です。
- 診療内容のデジタル化：Web予約や診療記録をオンラインで確認できるか
- 代替医療機関の紹介体制：閉院時の対応や紹介制度があるか
- 口コミの質：Googleなどのレビューで、対応の丁寧さや融通のきく運営方針を確認
また、アレルギー検査については、同じ検査を保険適用で受け直せることも多いため、新たな耳鼻科で改めて相談してみるのも選択肢です。
まとめ：閉業後でも希望はある。冷静に情報を集めて行動を
突然の閉業に直面すると不安が募りますが、医療記録の保存義務や、公的な相談窓口の活用により、検査結果の入手や返金の可能性は十分にあります。まずは情報を整理し、焦らず順を追って対処することが大切です。
困ったときには地域の保健所や医師会、消費者センターといった第三者機関に相談を。今後の医療機関選びにもぜひ参考にしてみてください。