海外在住ライターが秘密保持契約(NDA)を結ぶときの注意点と対応方法

近年、リモートワークの普及により、海外に在住しながらライター業を行う方が増えています。そのなかで、業務の一環として秘密保持契約(NDA)を求められる場面も多く見られます。海外居住者がNDAを締結する場合、日本国内での契約とは異なる注意点や実務上の対応があります。本記事ではそのポイントを解説します。

秘密保持契約(NDA)とは?

秘密保持契約とは、業務上知り得た情報を第三者に漏らさないことを約束する契約です。ライターが業務委託される際に、企業秘密や未公開情報を扱う場面では、ほぼ必須の契約となっています。

NDAには一方向型(受け手のみ守秘義務)と双方向型(双方に守秘義務)がありますが、ライターの場合は前者が多いです。いずれにせよ契約内容をよく確認することが重要です。

海外在住でもNDAは有効か?

結論から言えば、海外在住でもNDAは締結可能です。日本の企業が相手の場合でも、契約書に自分の現住所が海外住所であっても特に問題にはなりません。

重要なのは契約の実質的な合意内容であり、住所欄は相手方が連絡先として把握するための情報に過ぎません。ただし、書面送付や裁判管轄等の実務に影響する場合もあるため、その点は次節で詳しく解説します。

海外在住者が気をつけたいNDAのチェックポイント

  • 準拠法と裁判管轄:契約書には「日本法準拠・日本の裁判所」と記載されていることが多く、万が一訴訟になった場合は日本で対応する必要が出てきます
  • 住所記載:パスポート記載の住所や公共料金の請求先など、居住地を証明できる住所を正しく記載しましょう。
  • 電子契約の可否:紙の書面で署名が必要か、電子署名で完結するかを確認しましょう。日本ではクラウドサインなどの電子契約も広く使われています。

具体的な署名・記載方法と例

例えば、あなたがカナダ在住の場合、住所欄には以下のように記載できます。

項目 記載例
住所 1234 Maple St, Toronto, Ontario, Canada
氏名 Hanako Yamada
署名方法 電子署名(PDF形式)または直筆署名をスキャン

相手企業が日本の企業である場合、郵送による原本の提出が求められることもありますので、事前に電子提出の可否を確認するとスムーズです。

万一トラブルになった場合の対応

契約後にトラブルが発生した場合、管轄が日本にあると海外からの対応が難しくなることがあります。可能であれば、準拠法や管轄について交渉し、双方にとって現実的な条件に調整することも検討しましょう。

また、海外からの契約履行が法的に難しいケースに備えて、NDAの範囲や期間、違反時のペナルティ条項なども慎重に確認すべきです。

まとめ:NDAは海外からでも結べるが確認すべき点は多い

秘密保持契約は、ライターが業務を遂行する上で重要な信用の一つです。海外に住んでいても、正しい手順で契約内容を理解し、署名すれば法的にも有効です。

ただし、契約条項の読み込みや法的リスクの把握、通信手段や署名方法の確認など、日本在住者以上に注意が必要になります。迷った場合は法的アドバイスを得ることも視野に入れましょう。

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