職場における性加害やパワハラの問題は、被害者の尊厳や人生に深刻な影響を及ぼします。加害者が企業内で処分されないまま働き続けているケースにおいても、被害者側が法的に救済される道は存在します。
職場での性被害は刑事・民事の両方で対応可能
強制わいせつや準強制わいせつといった行為は、刑法上の犯罪に該当します。また、精神的苦痛やPTSDといった被害がある場合は、民事上の損害賠償請求も可能です。
例えば、飲食に薬物が入れられた場合や、同意のないキス・暴言などがあれば、準強制わいせつ罪・強制わいせつ罪などが成立する可能性があります。これらの事案は、証拠があれば警察への刑事告訴も検討可能です。
慰謝料請求の相場と注意点
同種のケースでは、100万円〜300万円程度の慰謝料が認定されることがあります。PTSDや通院が伴う場合、さらに増額される傾向にあります。精神科診断書や通院記録が重要な証拠になります。
また、会社に対しても、職場環境保持義務違反(安全配慮義務違反)などを根拠に損害賠償を求めることができます。大手企業であるほど、コンプライアンスの責任が問われやすくなります。
企業側の処分がない場合の責任追及
加害者がそのまま働いていることは、企業の対応が不十分であることを意味し、企業に対して損害賠償請求や報道機関への通報、労基署への申告といった行動も検討できます。
企業が内部調査や懲戒処分を怠った場合、後に重大な責任を問われることもあります。大手企業であればあるほど、評判リスクがあるため、法的圧力を受けると対応が変わることもあります。
証拠収集と弁護士のサポートが鍵
証拠として有効なものには、次のようなものがあります。
- LINEやメールなどのやりとり
- 飲食の領収書やタクシーの記録
- 精神科の診断書
- 録音データ
これらを揃えて、性被害に詳しい弁護士へ相談することが非常に重要です。無料相談から始められる法律事務所も増えています。
警察への被害届提出も検討を
被害者が刑事告訴をすることで、加害者への正式な捜査が始まります。準強制わいせつ罪は親告罪ではないため、告訴の必要はありませんが、被害届の提出によって警察が動くことがあります。
警察が動けば企業側も無視できなくなり、処分の流れが大きく変わる場合があります。
まとめ:泣き寝入りせず、できることを行動に
今回のようなケースでは、刑事告訴・損害賠償請求・会社への責任追及といった複数の法的手段があります。
勇気ある一歩を支援する法律家や支援団体も存在します。泣き寝入りする必要はありません。適切な証拠を揃え、信頼できる弁護士へまず相談を。被害者が再び安心して社会で過ごせるためのサポートは必ずあります。