消費者が広告やキャンペーンを見て店舗を訪れた際に、実際の対応が異なると感じた経験は少なくありません。特に「◯％OFFに挑戦中」や「見積もり持参で特典あり」といった記載は期待を高めるものです。今回は、こうした表示が実際と異なる場合に、何が問題になりうるのか、そして消費者がどのように対応すべきかを詳しく解説します。
広告表現と実態に差があるときに疑うべき法律
企業の広告と実際の対応に差がある場合、景品表示法や消費者契約法に違反する可能性があります。特に、「おとり広告」と呼ばれるような表示には注意が必要です。
たとえば、「ディーラー見積もり持参で最大50％OFF」と書かれていても、実際には何らかの理由で対象外にされた場合、その広告が不当表示である可能性があります。
景品表示法に基づく規制とは
景品表示法では、優良誤認表示や有利誤認表示など、実際よりも著しく優れているように見せる表現が禁じられています。たとえば「必ず割引が受けられる」と読み取れる表現なのに、実際には大半のケースで割引がされない場合、法的問題になる可能性があります。
違反が疑われる場合は、消費者庁や都道府県の消費生活センターに相談することが勧められます。
消費者契約法の観点から見る問題点
消費者契約法では、不実告知や断定的判断の提供によって、消費者の判断を誤らせた契約は取り消し可能とされています。サービス提供を期待して予約・来店し、店舗側が契約の成立を一方的に拒否した場合、その過程に問題がないかを検討する余地があります。
特に、契約を前提に時間や費用（ガソリン代など）を使ったにも関わらず、一切サービスが提供されなかった場合、心理的損害も含めて大きなストレスになりえます。
このような場合、どこに相談すればよいか
まずは最寄りの消費生活センターに相談するのが第一歩です。電話での相談も受け付けており、国民生活センターのウェブサイトから地域のセンターを探すことができます。
また、悪質だと感じる場合は、消費者庁への通報フォームを利用することも可能です。事例の詳細や証拠（広告ページのスクリーンショット、やり取りのメモなど）をまとめておくとスムーズです。
似たようなトラブルを避けるための対策
今後似たようなケースを避けるためには、事前に電話で詳細を確認し、広告に書かれている条件が本当に適用されるのかを確認することが重要です。録音を残す、内容を記録しておくこともリスク回避に役立ちます。
また、キャンペーンの適用条件や除外条件が明記されているかもチェックしましょう。「一部対象外」などの文言には特に注意が必要です。
まとめ｜表示と実態の差を見逃さない意識を
店舗の宣伝と実際のサービスにギャップがある場合、それが単なる誤解ではなく、法令違反に該当する可能性もあることを知っておくことが大切です。
不満や不信感があっても泣き寝入りせず、まずは消費生活センターなどに相談してみましょう。正当な情報と行動によって、自分の権利を守ることができます。