突然のインターホン、知らない来訪者──予定のない訪問にどう対応すればよいのか、戸惑った経験がある方は少なくないはずです。アポなし訪問は訪問販売だけでなく、犯罪の下見である可能性も否定できません。本記事では、防犯の専門的視点から、怪しいアポなし訪問に対して取るべき具体的かつ効果的な対応方法を詳しく解説します。
アポなし訪問の背景にあるリスクとは?
アポなし訪問は、一見するとセールスや勧誘のように見えますが、中には空き巣の下見や詐欺行為の一環であるケースも存在します。特に高齢者宅や一人暮らしの家を狙う手口が報告されています。
たとえば、ある地域では「水道点検です」と名乗って高齢者宅に上がり込み、金品を盗むという事件が複数件発生。実際には水道局とは無関係な民間業者だったことが後から判明しました。
無視すべきか?応答すべきか?判断の分かれ目
基本的に、不審な訪問にはドアを開けず、無視するのが最も安全です。しかし、インターホンに映像機能がある場合は、その画面で相手を確認したうえで、応答するか判断するのも選択肢です。
防犯の専門家も「無理に応答する必要はない」としつつも、相手が明らかに営業職員である場合には、インターホン越しでキッパリと断ることが重要と述べています。応答せずにしつこくドアを叩かれるなどした場合は、ためらわず110番を。
インターホン越しの正しい断り方
訪問販売であると判断できる場合、インターホン越しに次のように対応しましょう。
- 「必要ありませんのでお引き取りください」
- 「法律により訪問販売はお断りしています」
- 「今後、訪問しないでください」
訪問販売法では、消費者が「帰ってください」と伝えたにもかかわらず居座る行為は違法とされる可能性があります。このように、はっきりと拒否の意思を示すことが重要です。
また、音声や映像を記録できるインターホン機器を活用することで、後のトラブル対応にも役立ちます。
怪しいと感じたときの行動マニュアル
不審な訪問者が来たときには、以下の手順を実践しましょう。
- インターホンで映像を確認し、知らない人物なら応答しない
- 訪問販売であっても玄関を開けない
- 名前や所属を名乗らせ、名刺の提示を求める(インターホン越しで)
- しつこくされる、不安を感じた場合は110番通報
- 近隣住民や管理会社に情報共有する
特に高齢者が一人で対応している家庭では、周囲との連携が防犯のカギになります。
防犯対策としてできること
日頃からアポなし訪問に備えて、以下のような防犯対策を行っておくと安心です。
- 録画機能付きインターホンの導入
- 訪問販売お断りステッカーの設置
- 玄関先に監視カメラを設置する
- 在宅中でもチェーンロックをかける習慣を
- 地域の防犯パトロールや自治体のLINE通知を活用
また、留守を装わず、在宅していることを示すことも空き巣対策として有効です。
まとめ:不用意な応対は避け、安全第一で行動を
アポなし訪問への対応に正解は一つではありませんが、「ドアは開けない」「インターホン越しで明確に断る」「不安を感じたら通報」を基本とし、安全を最優先に行動することが大切です。
少しでも「おかしい」と感じたら、迷わず対応を止め、防犯意識を高く持って生活しましょう。家族やご近所とも情報を共有して、地域全体で安心を守っていくことが重要です。