車を運転していると、不運にも複数の車両に関わる事故が発生することがあります。特に「連続的に起きた事故」を警察が複数件として処理する場面に遭遇すると、混乱や疑問を抱く方も多いでしょう。この記事では、なぜ事故が一件ではなく二件に分けて扱われるのか、そしてどう対処すべきかについて詳しく解説します。
事故が複数件として処理される代表的な理由
交通事故が連続して起きた場合でも、事故の「対象」や「原因」が異なる場合、警察はそれぞれを独立した事故として扱うことがあります。これは、加害行為や被害者がそれぞれ異なるため、法律上別々の事故として記録する方が妥当と判断されるためです。
たとえば、最初に追突事故が起こり、その衝撃で車が別の車両に接触した場合、以下のように整理されることがあります。
- 1件目:あなたの車→前の車に追突
- 2件目:あなたの車→バスに接触(側方衝突)
このような場合、追突の責任と側方衝突の責任がそれぞれ明確に区別される必要があるとされます。
「一件にまとめてほしい」と思ったときにできること
事故が連続していたとしても、被害者側が異なる場合は一件にまとめることができないケースが多いです。ただし、事故発生の瞬間が連続的で不可分な場合や因果関係が明確である場合は、警察に一度再確認を申し出る余地はあります。
その際は、事故現場の状況(写真・図など)を整理し、「なぜ一件として扱うべきと思うのか」を冷静に伝えるとよいでしょう。
保険処理に与える影響と注意点
事故が2件に分けて処理されると、任意保険での扱いも事故件数としては2件分になります。これにより、保険等級が2等級下がる事態が2回分重なるなど、次年度以降の保険料に大きな影響を及ぼす可能性があります。
保険会社に連絡する際は、「警察から事故は2件とされたが、事故の流れは連続していた」などと正確に伝え、記録と処理を一貫してもらえるように努めることが大切です。
ドライバーとしてできる事故後の対処法
- ✔️ 警察官の判断理由をその場で丁寧に確認する
- ✔️ ドライブレコーダーや現場写真を保存し、時系列で整理する
- ✔️ 保険会社とも密に連携を取り、説明を正確に行う
- ✔️ 事故処理が完了するまでの間、相手方とのやりとりも記録しておく
一時的な混乱を防ぐためにも、感情的にならず記録を重視することが後々の助けになります。
まとめ:事故の件数判断は法律上の処理に基づくが、納得いかない場合は説明を求めよう
今回のように、「一つの事故のように感じられるのに、2件に分けて処理される」といった事例は珍しくありません。これは警察が法的・実務的観点から処理しているためですが、疑問があれば、遠慮なくその理由を確認することが大切です。
交通事故の処理は今後の生活や保険、法的責任に大きく影響します。納得のいく対応を得るためにも、必要に応じて専門家(弁護士や交通事故に詳しい行政書士)へ相談するのも一つの手段です。