消費者金融からお金を借りる際、同じ金額でも「1社だけで借りる」のと「複数社に分けて借りる」のとでは、信用情報や将来的なローン審査に影響が出る可能性があります。本記事では、複数社借入がなぜ避けられるべきとされるのかを、信用情報の仕組みや返済リスクと併せて解説します。
信用情報機関が見るのは「金額」だけではない
信用情報とは、個人の借入・返済履歴などを管理する情報で、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターなどの機関が取り扱います。そこには「どの金融機関から・いくら・何件借りているか」が詳細に記録されます。
金融機関が審査時にチェックするのは金額だけでなく、「件数」「借入先」「返済状況」「延滞歴」などです。複数社に借入が分散していること自体がリスクシグナルとなるケースもあります。
なぜ複数社での借入は不利とされるのか
理由は大きく3つあります。
- 多重債務とみなされやすい:複数社借入=資金繰りが苦しいと判断される。
- 返済管理が難しくなる:支払日や利率がバラバラで、延滞リスク増。
- 審査に通りにくくなる:次のローン申請時に「信用が低い」と見なされる。
たとえば、Aさんが1社から50万円借入し滞りなく返済しているのに対し、Bさんが5社から合計50万円を借りていると、Bさんの方が「資金繰りに問題がある」と判断される可能性が高くなります。
総量規制の視点でも注意が必要
貸金業法では、年収の3分の1以上の借入は原則不可(総量規制)。この規制は貸金業者全体に適用されるため、複数社に分けて借りても合計額で規制対象になります。
つまり、1社で限度額に達した人が別の会社に申し込んでも、信用情報機関の記録からすぐにバレます。
返済のしやすさ・金利面では1社集中が有利
1社にまとめて借りた方が、交渉しやすく、金利優遇がつきやすいメリットもあります。複数社の場合、低金利と高金利が混在するケースもあり、結果的に支払利息が増える傾向に。
例:A社から年利18%で30万円、B社から15%で20万円借りた場合、合計の支払利息は1社で借りるより不利になりやすいです。
どうしても複数社になった場合の対応策
すでに複数社から借りてしまっている場合は、おまとめローンや借換ローンの検討がおすすめです。1本化することで、返済額の管理や金利負担が軽くなります。
ただし、新たにローン審査が必要となるため、返済遅延があると通らない可能性もあります。事前に信用情報を自分で確認することも重要です。
まとめ:借入は件数も評価対象。シンプルに1社が理想
同じ借入金額であっても、1社で借りた方が信用情報的には有利です。複数社からの借入は、たとえ返済が滞っていなくても、「返済能力に不安あり」と見られるリスクが上がります。
借入前には返済計画をしっかり立て、極力1社で完結させることを基本方針としましょう。もし既に複数社に分かれているなら、専門家への相談や一本化も検討してみてください。