駐車場や坂道などの狭い道路での車同士の接触事故は、過失割合の判断が難しくなるケースが多く見られます。特に一方が停止していた場合でも、相手方が進路妨害などを主張することで示談が難航することもあります。この記事では、駐車場内での接触事故における過失割合の考え方や、裁判に発展するケースの注意点について詳しく解説します。
駐車場内や狭い坂道での事故の特徴
一般道と異なり、駐車場や私道内では信号や明確なセンターラインがないため、事故時の過失割合は個別の状況判断に委ねられることが多いです。中でも「一時停止中の車に対して無理な通行を試みた」場合、通行側の責任が問われやすくなります。
今回のように、坂の途中で車が停止しており、相手が空いている駐車スペースに入るなどの行動を無理に取った結果の接触であれば、基本的には通行側(相手方)の過失が高くなる傾向があります。
停止車両への接触はどのように判断されるか
事故の過失割合においては、停止していた車両に対して他車がぶつかった場合、原則として停止車両の責任は非常に低く、過失「0」とされることもあります。実際に警察も相手方のドライブレコーダーを確認し、停止状態だったと認定している点は重要な証拠です。
しかし、通行を妨害するような位置で長時間停止していたなどの事情があれば、わずかながら過失が認定される可能性もあります。特に相手方が「進路を妨害された」と主張している場合、保険会社同士の交渉が難航する原因になります。
ドラレコの有無が事故処理に与える影響
近年の事故処理では、ドライブレコーダーの映像が大きな証拠力を持っています。今回のケースでも、相手方のドラレコにより、あなたが停止していた事実が証明されている点は極めて有利です。
逆に言えば、自身にドラレコがなかった場合でも、相手方の映像で正しい主張が裏付けられるなら、主張は十分通る可能性があります。事故に備えて、自車にもドラレコを設置することをおすすめします。
弁護士特約を使った対応と裁判に進む判断
示談が成立しない場合、弁護士特約を利用して裁判に進む選択は現実的な方法です。特約があれば費用負担を抑えて専門家の力を借りることができます。特に過失割合に争いがあり、相手方の言い分が一方的で納得できない場合は、弁護士を通じた主張が重要です。
裁判では証拠(ドラレコ映像、警察の見解、事故現場の写真など)を基に判断されます。停止していたという証言が裏付けられていれば、原則としてあなたに過失が発生する可能性は極めて低くなります。
過失割合が「0:100」になる可能性は?
通常、車同士の事故では完全にどちらか一方の過失とされる「0:100」の判断は珍しいとされてきましたが、近年では明らかな停止中の被害については「0:100」も認められる事例が増えています。
今回のように警察も現場であなたの停止を確認しており、相手側の無理な通行による接触であることが明らかであれば、「あなたの過失0」と認められる可能性は十分あります。
まとめ:納得できない示談には法的手段も有効
狭い坂道や駐車場内での事故では、双方の言い分が食い違いがちですが、証拠が明確であれば自分の主張を通すことは可能です。「停止中であったことの証拠」が存在するなら、過失0の主張も十分に現実的です。
納得できない示談には無理に応じず、弁護士特約を活用して、適正な判断を求めていきましょう。