長年通ったエステを中途解約しようとした際、「返金はできない」「商品と交換になる」などと告げられ、納得できないまま泣き寝入りしてしまうケースは少なくありません。本記事では、特定商取引法に基づく正当な解約と返金請求の考え方、実際に使える行動方法を詳しく解説します。
①中途解約は法律で認められた“消費者の権利”
エステ契約は「特定継続的役務提供契約」に該当し、契約期間1か月以上かつ5万円を超える契約であれば、法律上いつでも中途解約が可能です。
解約による返金の際も、法律で定められた“上限金額の解約料”を差し引いたうえで、未利用分の料金が返金されるのが基本です。
②“返金できない・商品と交換”は特商法違反の可能性
サロン側が「返金できない」と主張して商品との交換を求めるのは、特定商取引法第49条に反する不当な対応である可能性が高いです。
さらに、契約書に単価や返金条件が明示されていない、または契約書自体に不備がある場合は、契約内容の説明義務違反として行政指導の対象にもなり得ます。
③消費者センターが限界なら次の手段を
消費生活センターに相談済みでも解決しない場合、以下のステップを検討してください。
- 内容証明郵便による返金請求(証拠を残せる)
- 簡易裁判所での少額訴訟(60万円以下で訴訟可)
- 弁護士の初回無料相談を活用(消費者問題に強い専門家を探す)
- 国民生活センターまたは都道府県の弁護士会に照会を依頼
話し合いに応じない業者でも、法的措置があると分かれば態度を変える場合も多くあります。
④実際の返金例と効果的な主張方法
実例として、「30万円中、10回の施術のうち7回未使用 → 差し引き20万円返金」という判例があります。
このとき、消費者側が主張したポイントは。
- 契約書の不備(空欄・単価未記載)
- 契約時に返金条件の説明がなかった
- 特商法の規定に反している
これらを明文化し、相手に書面で伝えることが非常に重要です。
⑤費用を抑えて対応するために
「弁護士費用が高い」という懸念がある場合は、次の方法も検討できます。
- 法テラス:収入条件に応じて無料相談・代理支援
- 簡易裁判所での本人訴訟:手続きは比較的シンプルで費用も抑えられます
- 行政書士に内容証明の作成だけ依頼:1~2万円程度で書面作成可能
感情的にならず、法的根拠をもとに冷静に進めることが解決のカギです。
まとめ:泣き寝入りする必要はない、正しい手続きで返金請求を
「商品と交換」「返金はできない」といった主張は、特定商取引法の趣旨に反する対応である可能性が高いです。
まずは書面による請求→法的措置も視野に入れて行動し、“消費者の権利”を諦めない姿勢が大切です。
無料相談窓口や公的支援制度を活用し、冷静かつ着実に対応していきましょう。