個人間でお金の貸し借りをする際、特に恋人や友人といった親しい関係であればあるほど、正式な契約や証拠を残さずにやりとりしてしまうケースが多く見られます。しかし、いざ返済が滞った場合、対応に悩む人は少なくありません。
個人間の貸し借りでも法的効力はあるのか
まず大前提として、個人間の金銭の貸し借りは法律上「契約」として有効です。たとえ口約束であっても、双方に貸した・借りたという意思があり、それを証明できるやりとり(LINEのメッセージ、銀行振込履歴など)が残っていれば、民事上の債権として主張可能です。
LINEで「返す」と言ったメッセージのスクリーンショットや、送金履歴などは、裁判や内容証明郵便の根拠にもなります。
少額(3万円程度)の返済でも対応できる方法
金額が大きくないからと泣き寝入りする必要はありません。特におすすめの方法が、「少額訴訟」や「内容証明郵便」の活用です。
・少額訴訟:60万円以下の金銭トラブルを簡易的に解決する制度で、裁判所で一日で審理が完結することも。弁護士不要で自分で申し立て可能です。
・内容証明郵便:法的効力がある督促手段として、相手に心理的なプレッシャーを与えるのに効果的。郵便局で手続きできます。
費用をかけずにできる督促手段とは?
「裁判までは…」と考える人にとって、まずは無料・少額でできる手段が現実的です。たとえば、内容証明郵便を出す前に、メールやSNSで丁寧な文面で再度督促してみることは有効です。
また、「貸したお金についての返済が見られないので、○月○日までに返金がない場合は法的措置を検討します」といった文言を含めることで、相手に警告的な意味合いを持たせることができます。
ブロックされていても諦めない方法
相手がLINEや電話をブロックしていても、住所がわかっていれば内容証明郵便を送ることができます。これは相手が受け取らなくても送ったという事実が記録として残るため、裁判所に証拠として提出できます。
また、弁護士に依頼するほどではない場合は、法テラスや地域の無料法律相談窓口を活用して、簡易的なアドバイスを受けるのも一つの手段です。
トラブルを避けるために今後できる対策
今後、個人間でお金のやりとりをする場合は、必ず以下のような点を意識しておきましょう。
- 返済期日・金額を明記したメッセージやメモを残す
- 送金は現金手渡しではなく銀行振込にする
- できれば「借用書」の簡易な文面を交わす
仮に親しい相手であっても、「証拠を残すこと」が自分自身を守る手段になります。
まとめ|少額トラブルでも正当な手段で対応を
たとえ3万円程度の金額であっても、個人間の貸し借りは立派な契約関係です。連絡を無視されたりブロックされたとしても、内容証明郵便や少額訴訟といった手段は十分有効です。
裁判を起こすかどうかは慎重に判断する必要がありますが、「泣き寝入りしない選択肢」があることを知っておくだけでも、安心感は大きく違ってきます。自分の権利を守るために、まずは行動を起こしてみましょう。