刑罰の一つである「禁固刑」は、懲役刑と比べて軽いとされる一方で、その実態や生活内容はあまり知られていません。特に「作業義務がない=自由に過ごせる?」という誤解も多く、この記事では禁固刑受刑者の一日の過ごし方や読書の可否、実際に作業を選ぶ理由などについて詳しく解説します。
禁固刑と懲役刑の違いとは?
禁固刑は刑務作業が義務ではない点で懲役刑と異なります。懲役は作業が義務付けられていますが、禁固刑では「作業するかどうか」は受刑者が選ぶことができます。
ただし、だからといって完全に「自由気ままに過ごせる」わけではなく、所定の規則に従った生活を送る必要があります。
禁固刑の受刑者は読書できるのか
読書は基本的に認められています。ただし、刑務所ごとのルールや時間の制限、持ち込める書籍の種類には制限があります。
例として、暴力的・性的・反社会的な内容の本は制限される場合が多く、家族等から送られた書籍を閲覧する際も、検閲が入ることがあります。
「寝転んで読書三昧」は可能か?
結論から言えば、1日中寝転がって読書することは事実上困難です。というのも、禁固刑で作業を選ばなかった場合でも、一定の起床・点呼・運動・就寝時間などが管理されており、自由時間はあるものの限られています。
その自由時間の中で読書することはできますが、あくまで「規則に従った生活」の中での話です。
なぜ禁固刑でも作業を希望する人が多いのか
実は多くの禁固刑受刑者が自ら刑務作業を希望します。主な理由は以下の通りです。
- 規則正しい生活の中で暇を持て余す
- 労役報奨金(わずかだが支給される)
- 模範的な態度が仮釈放に影響する
また、作業をしていないと「懲罰の対象になりやすい」「居場所が限られる」といった側面もあり、結果的に作業を選ぶ方が精神的にも有利とされます。
読書以外の過ごし方と制限
読書以外にも、テレビの視聴(時間・番組制限あり)や簡単な文通などが認められることもあります。ただし、どの施設に入っているか、また受刑者の分類(初犯か否か等)によって制限は異なります。
読書は受刑者にとって貴重な娯楽であり、学びの手段でもあります。法律や資格の本を読む人、趣味の分野を深める人も多く、読書が心の支えになるケースもあるのです。
まとめ:禁固刑でも読書は可能、だが自由ではない
禁固刑の受刑者も、一定の制限のもとで読書は可能です。しかしながら、完全な自由時間ではなく、生活は厳格に管理されています。
- 禁固刑は作業義務がないが、規則は存在
- 読書は自由時間内で可能(検閲・種類制限あり)
- 作業希望者が多いのは「精神的な安定」や「報奨金」「仮釈放」などが理由
- 寝転んで一日読書三昧という生活は現実的ではない
禁固刑は「軽い刑」と思われがちですが、その実態は規律に縛られた厳しい生活の一部。読書は許されていても、それはごく限られた自由の中の話なのです。