友人の車に同乗していて、その車が単独で事故を起こした場合──運転していなかったあなたに修理費を請求されたら、支払い義務はあるのでしょうか?この記事では、同乗者が修理代を支払う必要があるのかについて、民法や判例に基づいた考え方をわかりやすく解説します。
基本原則:同乗者には法的な支払い義務はない
事故が運転者の単独過失(たとえばハンドルミスや注意不足)で起きた場合、同乗者には修理費の法的な支払い義務はありません。これは民法上、損害を発生させた「加害者」が責任を負うという基本原則に基づいています。
つまり、あなたが何もしていない──例えばハンドルに触れていない、運転に干渉していないのであれば、「損害を発生させた者」ではないため、負担義務は発生しません。
例外的に支払い義務が発生するケースとは
ただし、以下のような例外ケースでは支払い義務が発生する可能性もゼロではありません。
- 同乗者が運転に支障をきたす行為をした(例:急に大声を出す、ハンドルを揺らすなど)
- 事故を招くような指示・誘導をした(例:「もっとスピード出して」など)
- 運転者と共同で車を使用する契約があった(例:レンタカーを共同名義で借りた場合)
これらに該当しないのであれば、支払い義務は原則ありません。
請求されたときの対応法
もしも友人から修理費の請求を受けた場合、まずは冷静に「運転していなかったこと」「干渉していないこと」を説明しましょう。
それでも強引に支払いを求められる場合は、「支払う法的義務はない」と明言し、第三者機関(弁護士や消費生活センター)への相談を検討してください。
実際にあったトラブル事例
ある20代女性は、友人の車に同乗中、運転者の不注意でガードレールに衝突。後日、その友人から「半額出して」とLINEで請求されました。
女性は消費生活センターに相談し、「法的義務はない」と助言を受けて支払いを断り、トラブルは収束しました。このように、感情論ではなく法的根拠に基づいた対応が重要です。
もし支払う場合の注意点
どうしても人間関係上の理由で一部負担する場合は、一筆をもらうか、LINE等で「任意で支払ったこと」の証拠を残しておきましょう。これは後日「債務だった」と主張されないための自衛策になります。
まとめ:同乗者が無関係なら、支払い義務は生じない
事故が完全に運転者の責任である場合、同乗者が修理費用を支払う法的義務はありません。請求されたとしても、毅然とした態度で拒否し、自分の立場を守ることが大切です。
万が一トラブルに発展したら、消費生活センターや弁護士などの専門家に相談し、適切に対応しましょう。